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2012年5月25日 [ミッドウェー/日本海海戦]

ミッドウェー全体520.jpg

学研パブリッシング『歴史群像』誌の次号付録ゲーム「ミッドウェー海戦」のマップがほぼ完成です。日米両軍の空母の精密な上面図のイラストは、別の方が描かれたものをはめ込んでデザインしましたが、ミッドウェー海戦当時の塗装や艤装になっているか、専門家の方による監修を経ており、正確さは「お墨付き」です。

赤城520.jpg


加賀520.jpg


飛龍520.jpg


蒼龍520.jpg

日本軍の空母4隻。甲板のカラーリングがめちゃくちゃ派手ですね(笑)。この塗装からも、よく言われる「油断」や「驕慢」という言葉を連想してしまいます。

エンタープライズ520.jpg


ホーネット520.jpg


ヨークタウン520.jpg

対して、アメリカ軍の空母は不気味なほど地味。実際の海の色は、このゲームの背景より濃いので、日本軍の空母に比べると圧倒的に見つけにくかったでしょう。

ミッドウェー島520.jpg

ミッドウェー島。「海水を真水に変換する装置」は地図に入っていません(笑)。

発売まであと一か月と少しとなりましたが、ぜひ楽しみにしていてください。
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2012年5月21日 [ミッドウェー/日本海海戦]

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先週から今週にかけて、雑誌『歴史群像』次号の付録ゲーム「ミッドウェー海戦」「日本海海戦」の仕上げ作業と、同じく次号の担当記事「東郷平八郎と旅順港奇襲作戦」の執筆を行っています。ゲームのルールは完成し、マップとコマ、ルールブックの制作を進めているところですが、「日本海海戦」のマップがほぼ完成しましたので、少しだけご紹介します。

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マップのサイズは 499ミリ x 656ミリで、以前の付録の彩色ポスターと同じです。シミュレーション・ゲームの「ハーフサイズ・マップ」が 420ミリ x 594ミリなので、それより少しだけ大きいサイズです。

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「距離、6400!」NHK『坂の上の雲』に登場した、時計のような「距離表示板?」もあしらってみました。

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オプション・ルールで用いる東郷平八郎コマ。プレイヤーが東郷提督の役を演じるので、被弾時の負傷が重なって戦死する(確率はかなり低いですがゼロではありません)とゲームは即座に終了し、プレイヤーは文字通り「サドンデス負け」となります。

担当記事の「東郷平八郎と旅順港奇襲作戦」は、日露戦争開戦劈頭の、水雷艇と主力艦によるロシア太平洋艦隊(通称旅順艦隊)への「先制第一撃(とその失敗)」がテーマです。

日本で出版されている日露戦争の書物では、奇襲攻撃があった事実だけを軽く述べるか、「ロシア海軍に大きなショックを与えた」という日本側に都合の良い部分にのみ目を向けるかという扱いが多いように思えます。しかし、水雷艇隊の攻撃は明らかな事前の準備不足と目標不徹底による失敗であり、その後の主力艦による攻撃も「ロシア側が意気消沈している」という第3戦隊参謀の(結果として誤った)報告に基づいて行われたものの、奇襲による旅順艦隊の撃滅という目的を達成する最大のチャンスを逃してしまうこととなりました。

サッカーで言えば、キックオフ直後にキーパーと1対1になるチャンスを掴みながら、ミスキックで得点し損ねたようなもので、その後の三次にわたる閉塞作戦の失敗と乃木第3軍による死屍累々の旅順総攻撃を考えるなら、緒戦の攻撃不発は「連合艦隊司令長官の重大な失策」とも言えるわけですが、今まで目にした文献では、旅順奇襲攻撃における東郷の采配を「失策」と捉える視点は皆無でした。

ただ、私は別に「東郷嫌い」というわけではないので、ことさら「東郷批判」という文脈で書くつもりはありません。今まで私が書いてきた記事と同様、特定の人物を神格化したり不自然に持ち上げることはせず、不必要に貶したりすることもせず、「実際に何があったのか」を様々な角度から分析し、最高意思決定者としての東郷平八郎の役割と、旅順奇襲作戦が事実上の「失敗」に至った経緯・原因を、私なりに読み解く記事にするつもりです。


おまけ

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写りの悪いUFOのようですが、今朝寝室で撮影しました。紙にボールペンで小さい穴を空けて、そこを通過した太陽の光を別の紙に映したもの。ちゃんと輪っかになっているのが不思議。
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2012年5月12日 [ミッドウェー/日本海海戦]

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今週月曜日、雑誌『歴史群像』最新号(2012年6月号)が発売されました。今号の私の担当記事は「シリア紛争史」。第二次大戦後のシリア独立から、父ハーフィズ・アサド体制の形成、第四次中東戦争時のゴラン高原での戦車戦、そして次男バッシャールへの権力継承と、今なお続くシリア反体制派の闘争などを、わかりやすく解説しています。

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現在シリアでは首都ダマスカスで爆弾テロが発生するなど、再び緊迫した状況に置かれていますが、日々のニュースを見聞きする際、その背景と併せて理解する一助として、今回の記事を活用していただければ幸いです。


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さて、本誌を購入された方はお気づきかと思いますが、『歴史群像』誌の次号(7月6日発売の8月号)には、創刊20周年記念の特別付録として、戦史をテーマにしたボードゲームが収録されます。ゲームは、2人用の「ミッドウェー海戦」と1人用(ソリテア)の「日本海海戦」の2つで、B2サイズのフルカラーマップ(両面印刷でそれぞれのゲーム用のマップが表と裏に印刷されます)と厚紙打ち抜きのコマ120個、48ページの別冊ルールブックという、ゲーム業界の感覚から言うとかなり思い切った豪華仕様(笑)です。ちなみにコマのサイズは、いつもの12.5ミリではなく、ほんの少しだけ大きくした15ミリ角となっています。

ミッドウェー海戦」と「日本海海戦」のゲームデザインは、私が担当させていただきました。既にシミュレーション・ゲーム/ウォーゲームに「免疫」のある人ではなく、一般の読者に遊んでもらうためのゲームということで、今回のデザインに際しては「ユニット」や「ヘクスマップ」などの「シミュレーション・ゲームの常識」をいったん捨て、「歴史ボードゲーム」というコンセプトで全体の構成を組み立てることにしました。

ただ、デザイン上の目標そのものは、私がいつもシミュレーション・ゲームのデザインで目指すのと共通する方向に据えることにしました。具体的に言うと、戦史の経過をトレースするのでなく、当時の両軍指揮官が感じたジレンマや焦り、戦果拡大への誘惑などをプレイを通じて味わえる素材を提供するという「鈴木銀一郎イズム」のコンセプトです。

今回のゲーム制作で一番重視したポイントは、なるべくわかりやすいルールで「ゲーム」の対戦を行いつつ、戦史の結果を左右した「決断の醍醐味」をプレイヤーが味わえるようにすることでした。「決断の醍醐味」とは、単に攻めるか待つか、右を攻めるか左を攻めるか、ということだけでなく、刻々と変化する全体の状況を常にブラウザの「再読み込み」のような形で再認識しつつ、重要な戦機の潮目を読み取り、待ちの姿勢から大きなアクションへと一気に転換する「タイミング」を自分で見極めて、部下に命令を下すことまで含んだ概念です。

ミッドウェー海戦」の場合、ゲームの手順は双方が交互に1回ずつ「アクション」を行う形で進行しますが、アクションの種類には「索敵(敵空母の位置情報の収集)」「艦上作業(いずれか一隻の空母の艦載機を「着艦」から「整備・装弾」を経て「発進準備」へと1マス進める)」「航空隊の出撃」「敵空母の攻撃」「強制帰還」「(自軍空母の)修理の試み」「(敵空母の)誘爆判定」の7種類があり、相手の行動を読みつつ、自軍の行動は焦らずに慎重を期す必要があります。

ミッドウェー海戦」も「日本海海戦」も、今回はヘクスのマップを使っておらず、前者の場合は相互の艦隊または艦艇の位置関係という要素をゲームから除外しています。言い換えれば、各プレイヤーは相手側の空母を「発見」したか否かという点のみに意識を集中し、索敵行動は「索敵チット」と呼ばれるコマをカップからランダムに1個引くことで進展します。個々の「索敵チット」には、双方の空母名と「情報の確度」が印刷されていますが、連合軍の情報面での優位を再現するため、日本軍の空母2隻が書かれたチットが一定数含まれ、また日本軍がミッドウェーの米軍航空基地に一定の打撃を与えた時点で、日本軍の不利を若干解消できる「索敵チット」がカップに追加で投入されます。

索敵が不十分(目標空母名が記された「確度Aの索敵チット」が少ない状態)で攻撃を仕掛けても、肝心の空母を発見できずに空振りに終わり、貴重な手番を浪費してしまう(帰還した航空隊は「艦上作業」で1マスずつ進めないと再出撃不可)可能性が高くなります。かといって、十分な「索敵チット」が揃うまで待っていたのでは、敵に先手を取られて航空隊を積んだ空母を炎上させられる恐れもあります。大胆さと慎重さという相反する要素が、プレイヤーの「決断」には求められます。

敵空母への攻撃は、サイコロで判定される敵の対空砲火(1回の攻撃につき2回)をくぐり抜けた航空隊によって実行され、目標空母の被弾数もサイコロと判定表で判定します。各空母は、被弾数の累積によって「小破」「中破」「大破」「沈没」となりますが、米軍ではヨークタウンが他の空母2隻(エンタープライズ、ホーネット)よりも被弾に弱く設定してあり、日本側は赤城・加賀よりも飛龍・蒼龍がほんのわずかに弱くなっています。「大破」の状態になれば、相手側はアクションで「誘爆判定」を選ぶことができ、そのサイコロ判定で被弾数が追加されれば「沈没」となります。

日本軍プレイヤーがゲームに勝つためには、敵空母に損害を与えるだけでなく、ミッドウェーの基地にも大打撃を与えて、陸軍部隊の上陸が可能な状態にしなくてはなりません。これは、連合艦隊司令部と軍令部の作戦目標をめぐる不統一を再現しています。また、日本側は複数の空母に搭載されている航空隊でグループを編成して敵空母を攻撃できる利点を有していますが、1回のアクションで艦上作業させられるのは1隻の空母の航空隊のみなので、残りの空母は「発進準備」状態で待機しなくてはなりません。そして、航空隊が敵空母を発見して攻撃を行う際、目標の空母に「発進準備」の航空隊がいると、誘爆による被弾数増加という修正が発生するので、史実における「雷爆換装」のような予想もしなかった惨劇が甲板上で発生する可能性があります。

日本海海戦」の方は、ゲーム最初の「敵前大回頭ステージ」と計5回の「砲撃戦ステージ」から成り、プレイヤーは連合艦隊司令長官・東郷平八郎の役割を演じます。「敵前大回頭ステージ」では、まず戦場の対馬周辺海域における「波の高さ」をサイコロで判定し(「浪高シ」「浪ヤヤ高シ」「浪低シ」の3種類)、続いて敵のバルチック艦隊からどれだけの距離(4種類)で連合艦隊を「回頭」させるか決定した後、その距離に応じた「(日本側の)損害判定」を行います。この時、損害の出方は敵との距離と「波の高さ」によって変動します(距離が遠いより近い方が損害が出やすく、また波が高いより低い方が損害が出やすい)。

各「砲撃戦ステージ」では、日本海軍の艦艇(三笠、敷島、富士、朝日、春日、日進の計6隻)が、ロシア海軍バルチック艦隊の艦艇(スワロフ、アレクサンドルIII世、ボロジノ、アリョール、オスラビア、ナワリン、シソイ・ヴェリキー、ニコライI世の計8隻)の間での砲撃戦を実行します。日本軍の砲撃は、艦艇ごとに目標を決めてサイコロを振り、砲撃判定表で損害を判定しますが、日本軍の損害(ロシア軍の判定)はサイコロではなく、一定数の「日本軍損害チット(被弾した艦名または損害無しの表示)」をカップからランダムに引いて判定します。このチット数は、艦隊間の距離と波の高さによって変動しますが、旗艦スワロフが沈没すれば、日本軍が多少有利になる修正(損害無しのチットを2個追加)が加えられます。

連合艦隊とバルチック艦隊の距離は、1回の砲撃戦ステージが終わるごとに、プレイヤーが一段階のみ調整できます。このように、プレイヤーは波の高さと敵艦隊との距離、連合艦隊とバルチック艦隊の被弾状況を見極めながら、艦隊間の距離を調節し、自軍の損害を抑えつつ、バルチック艦隊に与える損害を最大化するよう「決断」を繰り返していきます。

両ゲームとも、私がプロトタイプをデザインした後、日本海軍の戦史に造詣の深い堀場わたるさんと松谷健三さんに横浜で(秘密裏に)プレイテストを繰り返していただき、ゲーム自体のディヴェロップと、ゲーム内の処理を歴史的事実に整合させる作業を地道に進めてきました(これを読んで、少し安心された方も多いかと思います・笑)。艦艇ごとの能力や耐久力のちょっとした違いに、史実における差異を反映させるよう心がけましたので、テーマとなっている二つの戦いについての知識が深い人にも、満足していただけるゲームになったのではないかと思います。

現在、両ゲームとも最終仕上げの段階に入っていますが、1回のプレイは「ミッドウェー海戦」が30分から1時間、「日本海海戦」の方は慣れれば15分くらいで終了する形になっています。発売まで2か月となりましたが、ぜひ期待していてください。
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2012年5月7日 [その他(戦史研究関係)]

久々の更新ですが、今日は最近買った雑誌についての話を少し書きます。

現在書店で発売中の『ナショナル・ジオグラフィック日本版』2012年5月号(日経ナショナル・ジオグラフィック社)に、南北戦争の記事とゲティズバーグへの両軍の行軍経路を描いた付録地図が付いているとツイッターで知り、さっそく購入しました。

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本文記事「南北戦争 時代を超える戦場の記憶」は、従軍画家や写真家が記録したスケッチや白黒写真とその解説などで、付録の両面地図は表面が南軍によるペンシルベニア侵攻開始からゲティズバーグの戦いまでの南北両軍の行軍ルート、裏面がアメリカにおける黒人の権利獲得運動の歴史という内容になっています。同誌は、記事テーマに関連する付録地図が魅力で、日本版の創刊号(正確には創刊準備号)から定期購読していましたが、ある時期からこの付録地図が付かなくなったので、しばらく購読をやめていました。

ご存知の方も多いかと思いますが、本国版の『National Geographic』は、1888年にアメリカ地理学協会(National Geographic Society)によって刊行された雑誌で、地理学や自然科学、人類学、歴史、文化などを豊富なビジュアルを交えて紹介する実直な体裁の出版物です。

この雑誌は、地図好きの間では日本版が出る以前から名が知られており、私も本国版のバックナンバーを古本屋で見つけては買っていました。そして、インターネットのオークションという画期的な技術が登場すると、ebayで本国版を物色して欲しい号を安く効率的に買うことができるようになりました。

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本国版で最初に付いた付録地図(1918年5月号)。当時、アメリカは第一次世界大戦に参戦して西部戦線に兵力を派遣していましたが、戦場からの便りに記された地名を見つけられるように、と、フランスおよびベルギーの地図に溢れるほどの地名が印刷されています。

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長い歴史を持つ同誌の中でも、最高傑作だと思うのが、1978年7月号の「グランド・キャニオン」特集。ブラッドフォード・ウォッシュバーンという地図学者・地図制作者が、同誌の地図制作部門と共同で制作したグランドキャニオンの地図は、現地で崖の上に立ったことのある人間なら恐らく誰もが息を呑んで見とれてしまうほどに、実際の地形を正確な形状と色彩で再現することに成功しています(この時の測量調査については、ジョン・ノーブル・ウィルフォード著、鈴木主税訳『地図を作った人びと』河出書房新社でも詳しく紹介されています)。

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こちらは1965年1月号。米軍のグリーンベレーが軍事顧問として派遣されていたベトナムについての特集で、付録はベトナム、ラオス、カンボジアを収めた地図。米軍の正規軍がベトナムに派遣されるのは、これから2か月後の3月8日でした。この号を買ったアメリカの読者は、新聞やテレビで刻々と報じられる戦況のニュースを、付録地図片手に見聞きしていたことでしょう。

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自由の女神(右、1986年7月号)とブルックリン橋(1983年5月号)という、私も大好きなニューヨークの二大名所についても、豊富な写真とイラストを使って歴史や内部構造などを紹介しています。ブルックリン橋の方は、建設当時の1876年に撮られたマンハッタンの写真が折り込みで収録されていますが、摩天楼と呼ばれる高層ビルは当然ひとつも無く(一番高いのは教会の尖塔)、我々の知るマンハッタンのイメージとはかなり違う雰囲気です。

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アポロ11号の乗組員が月面着陸に成功(1969年7月)した後の1969年12月号。月で撮られた写真が満載なのは当然として、なんと折り込み付録として「宇宙時代の音」と題されたソノシート(薄いビニール製レコード)が! 一度内容を聞きたいのですが、レコードプレーヤーが無いので革命いまだ成らず。

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2002年6月号ではノルマンディー上陸作戦についての記事が(左が本国版、右が日本版。同じ内容なのに表紙が違う。米軍のアフガン攻撃から8か月後で、星条旗の表紙は日本では不評という判断なのか…?)。この回は付録地図ではなく折り込み式の横長地図で上陸海岸を説明しています。

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日本版の付録地図。「カスピ海地方(中央アジアの資源地帯)」は1999年5月号(米軍のアフガン攻撃が始まったのは2001年10月)。イラクがメインの「中東の核心部」は2002年10月号(米軍のイラク攻撃開始は2003年3月)。何か起こる前に現地の地名が詳しくわかる地図が配布されているようですが、たぶん単なる偶然でしょう(笑)。ちなみに2008年8月号付録の「イラン」地図には、イラン国内の核関連施設の名前と種類、位置が詳しく記してあります。

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こちらは古い本国版の付録地図。上から順に、1922年10月号のアフリカ地図、1938年4月号のヨーロッパ地図、1942年7月号のヨーロッパおよびアフリカ、中東地図、1943年2月号のアフリカ地図。最初のアフリカ地図にはヴェルサイユ体制下のアフリカの国境が、最後のアフリカ地図では第二次大戦当時のアフリカを縦断・横断する道路網が描かれていますが、こうした情報はなかなか他では手に入らないので有益です。

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付録地図の中には、文化や歴史、民族などのテーマごとの企画地図もあります。これは本国版の1940年3月号に付いた古代ギリシャの関連地図。「クセノフォンは『アナバシス』をここで書いた」などの注記が満載で、歴史好きにはたまらない内容です。他にも「探検家の航路」「アメリカ・インディアン(ママ)」「聖地エルサレム」などの企画もの地図が私のお気に入り。ちなみにイタリアのギリシャ侵攻は1940年10月。これも単なる偶然でしょう(笑)。

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ナショナル・ジオグラフィック協会は、雑誌の付録地図を貼って本にするための立派な「台帳」(Atlas Folio)も販売していました(1958年)。

思い入れのある雑誌を紹介できるということで、とりとめのない内容になってしまいましたが、興味の湧いた方はぜひ書店で『ナショナル・ジオグラフィック日本版』をご覧になってください。植物や虫、動物の写真も非常に見応えがあって楽しめます。



おまけ(というか蛇足)

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上に紹介した日本版2002年6月号のノルマンディー上陸作戦特集の記事で、折り込み地図の上に「オマハ・ビーチとコルビル・シュール・メール村(奥)」というキャプションがついていたのですが(上写真)、海岸から村に至る地形から判断して、コルビル・シュール・メール村ではなくビエルビル・シュール・メール村ではないかと思い、同村周辺のBIGOT地図(上陸侵攻部隊が携帯していた最高機密の地形図、BIGOTとは『ジブラルタル行き To Gib』の逆表記)のカラーコピーを添えて日本版編集部に手紙を送りました。

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それからしばらくたったある日、本国のナショナル・ジオグラフィック協会調査部のデヴィッド・ウッデルという人から手紙が届きました。それによると、当該の写真は、やはりビエルビル・シュール・メール村で、「自分は両方とも現地に行って地形を確かめたので違いに気づくべきだった」「言い訳のしようがないミスだ」と率直に述べておられました。

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手紙を受け取ってから次の号で、訂正記事が日本版にも載りましたが、このやりとりを通じて、ナショナル・ジオグラフィック協会の実直さや誠実さを改めて認識し、感銘を受けました。私の作る地図など、同協会地図部作成のそれに比べればまだまだ完成度は低いですが、今後も彼らの真摯な姿勢を手本にして、さらに能力に磨きをかけていきたいとという思いを強くました。
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2012年4月24日 [その他(雑感・私生活など)]

昨日、無事に台湾より帰国しました。5泊6日の日程でしたが、台北滞在中は「夏兄(シャーション)」こと夏育華さんご夫妻があれこれと面倒を見て下さったおかげで、とても中身の濃い日々を過ごすことができました。

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上は夜の台湾総統府。現在は総統官邸として使用されていますが、児玉源太郎が第4代の台湾総督だった時代の1919年に日本の総督府として完成した建物です。周囲の雰囲気は永田町の国会議事堂周辺によく似ています。

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4月20日の金曜日、台湾の印刷会社社長・陳玠侑さん(中央)とお会いし、シックス・アングルズの各コンポーネントや文庫本の印刷経費について、詳しい情報をいただきました。陳さんの会社は、大手企業の包装パッケージを数多く手がけられているほか、福爾摩莎戰棋社(Formosa Force Games)の『英烈千秋(The Everlasting Glory: 1937年から45年までの日中戦争を扱う箱入りゲーム)』の印刷もされているので、コマの打ち抜きなどボードゲーム独特のパーツについてもスムーズに話が進みました。

この時の面会には、夏兄(上写真左端)と彼の奥さん(写真には写っていません)が英語←→中国語の通訳に加えて、なんと値引きの交渉までしてくださり、金額的にかなり良い条件で引き受けてもらえることになりました。品質については、紙の見本をいくつか出してもらって紙質(表面の質感、手触り等)を確認しましたが、今までの製品と同レベルのクオリティを維持できそうな印象です。あとは日本までの輸送コストと輸送中の事故リスクの回避さえクリアできれば、正式決定となります。

ちなみに、日本でも既におなじみの台湾製シミュレーション・ゲーム雑誌『戰棋』編集長の鄭偉成さんも、印刷所での面会に同席して下さり、その席で『英烈千秋』をいただきました。雑誌形態とボックス形態でのコスト面と収益面での差異など、興味深いお話をうかがいましたので、いずれ機会を見てこの辺りの話も詳しく書きたいと思います。

4月21日の土曜は、行天宮(関羽を祀る廟)に参拝した後、そこから徒歩で10分くらいの場所にあるレストランへ行き、そこで開催されている台湾のシミュレーション・ゲーム・クラブの例会にお邪魔して、夏兄と『ベアズ・クロウ』をプレイしました。わりと普通のレストランのテーブルを各自「占領」して(もちろん料理や飲み物は注文しますが)、朝から晩までゲームプレイに熱中していても店側から文句を言われないというのは、日本ではちょっと考えられない、羨ましい環境です。

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上はドイツ軍をプレイ中の夏兄。午前10時30分くらいに店に入り、お昼は「鶏なべ定食」みたいなものを注文しましたが、別皿の具材(鶏肉、野菜など)を固形燃料のコンロでぐつぐつ煮ながら食べる結構本格的な一人鍋でした。鍋を食べながらゲームをプレイしたのは初めての経験でした(笑)。英語でルールを説明した後、『キエフ・ウマーニ』と『スモレンスク』を続けてフルターンでプレイし、気がつくと時計の針は午後10時30分を指していました。

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夏兄も「バッテンマーカー」の愛用者と知り、さらに親近感が。

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最後に、ゲームクラブ「戰棋團」のメンバーと一緒に記念撮影。鄭偉成さんと中黒さんも昼間は会場におられましたが、二人とも用事で早めに帰られたため、ここには写っていません。中黒さんとの「台北の密約」は今回は見送りとなりましたが、改めて大阪での密談を約束しました。

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台北市内の「国軍歴史文物館」は、中国国民党軍に関する歴史的価値の高い物品を多数展示しており、非常に興味深い軍事史博物館でした。一番下の写真は、蒋介石が愛用していた帽子とコート。

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こちらは蒋介石の業績を記念して建てられた「中正記念堂」(人と比較して、建物の巨大さに注意)と、その地下の博物館に再現展示されている蒋介石の執務室。蒋介石については、人間像がよくわからない部分があったのですが、夏兄の奥さんから彼にまつわる非常に興味深い話をいくつも聞けたのは大きな収穫でした。過去に『歴史群像』誌で一度、蒋介石伝を書いたことがありますが、今までとは少し違った視点で、彼についてさらに詳しく調べてみようと思いました。

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このほか、夏兄には台北市内の観光名所(龍山寺、迪化街、士林と饒河の夜巿、万華、故宮博物院など)と郊外の九份(映画『悲情城市』で有名)にもたくさん連れて行ってもらいました。台湾の料理は、主なものは一通り食べましたが、どれも本当に美味しかったです(一つだけ、臭豆腐だけは一口が限界でしたが…)。

今回の旅行を機に、台湾は私にとっていろいろな意味で以前よりもずっと身近な国になりました。今後の出版事業の展開や拡大も含め、また台湾に行く機会があると思いますが、次回は挨拶やお礼くらいは中国語で言えるようになりたいと思いました。


不知怎么感谢才好。
真谢谢你了。


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2012年4月17日 [その他(雑感・私生活など)]

先々週の東京・横浜遠征の興奮も冷めやらぬ中(笑)、原稿執筆とゲーム開発の合間を縫って、今週は明日から台湾に出張です。用件はいくつかありますが、事前に台湾の友人が手配してくれた現地の印刷所を訪問して、日本から仕事を依頼する場合の料金や品質などを確認することもその一つです。

ご存知の通り、私は『シックス・アングルズ』というシミュレーション・ゲーム付き雑誌を自費で出版していますが、コスト面で厳しい面がいろいろと出てきたため、今後の選択肢を比較検討しているところです。値段が安いからといって、いきなり台湾の印刷所にシフトするというのはリスクが高いですが、最大のネックである打ち抜き駒だけでも、今より低コストで製作できれば、ビジネス面で少し楽になります。

また、将来的な事業展開として、ゲームだけでなく一般的な本の自費出版事業というのも考えています。いよいよ学研さんもアマゾンのKindleと契約し、日本における電子書籍の展開が本格的に始まろうとしている中、紙の本を出版するというのは時代に逆行しているようにも見えますが、実際には使い勝手という点で紙の方が優れている要素も多々あるように、私には思えます。

例えば、アメリカ軍の公刊戦史はかなり前からPDF化されており、値段も安かったので一揃え買ったのですが、ソファでリラックスして読めない、愛用している付箋紙を貼れない(長くなるので今回は説明を省きますが、私にとっての付箋紙は単なる目印ではありません)、慣れた感覚での流し読みが難しいなどの不便さに耐えられなくなり、結局紙バージョンを新たに買い直しました。紙バージョンには、サイズの大きな別紙の戦況図などもあり、私は電子版よりも紙版の方が執筆に使う資料としての使い勝手が良いと感じています。

今後もいろいろな出版社さんと一緒に、執筆や地図制作などの仕事でベストを尽くしていくつもりですが、執筆から図版・地図制作、組版、装丁まで自分でひととおり出来る立場なので、それを活かす形で、既存の出版社さんから出してもらうには適さない(端的に言えばマイナーな)テーマを掘り下げた研究書等を、限定部数で(相対的に少し高い値段で)出版する、という事業も「副次的展開」として行えないかな、と構想しています。もちろん、印刷所に送るデータは、技術的には容易に(将来のスタンダードとなる)「電子書籍」のフォーマットにも転換できる(ようになるはず)ので、課金のシステムがもう少し一般化すれば、電子版もネットで直販という形にもできるだろうと思います。

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また、週末の土曜日には、台北のシミュレーション・ゲームクラブの例会(戰棋團第31次聚會)に参加して、現地の台湾人ゲーマーと『ベアズ・クロウ』をプレイする予定です。たまたま同時期に中黒さんも台湾に出張で行かれるとのことで、もしかしたら会場で「台北の密約」的な何かが生まれるかもしれません(もちろん議事録は残しません)。

ということで、明日の4月18日(水)から23日(月)まで、家を離れますので、この間はメールチェックや各種ネットメディアの確認、商品の発送等ができなくなります。またしてもご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
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2012年4月9日 [その他(雑感・私生活など)]

前回の記事でも書きました通り、先週火曜日(4月3日)から土曜日(4月7日)まで、東京と横浜に出張で滞在しました。今回も内容の詰まった東方遠征でした。

到着初日は、ちょうど「爆弾低気圧」が上陸した日で、約束していた瀬戸利春さんとの会食も暴風に吹き飛ばされてしまいましたが、それ以外の日は晴天続きで、約束と約束の合間の時間に、あちこちでお花見を楽しめました。

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↑上野公園の桜。

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↑大塚(空蝉橋付近)の桜。

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↑千鳥ヶ淵の桜。去年もケン先生と観に来ましたが、ここの景色は桜のうす桃色と黄緑色のブレンドが綺麗です。

仕事関係では、いつもの学研さんとKKベストセラーズさんに加えて、今回は光人社さんとソフトバンク・クリエイティブさんにも新しい企画の件でお邪魔しました。それぞれ、具体的な内容を発表できる時期になれば随時このブログでご紹介します(一番早いのはおそらく学研さんの単行本で7月刊行予定)が、今年は昨年より広域の正面で新しい仕事にチャレンジしていきます。

また、戦史研究分野の大先輩である廣田厚司さん、切手を通じた各国史と国際関係史研究で知られる内藤陽介さん、そして国内・国外のトピックを精力的に追求するジャーナリストの坂本慎平さんとも会食し、興味深いお話をいろいろとうかがうことができました。皆さんそれぞれ独特のバイタリティに溢れる方で、仕事上の刺激とエネルギーを吸収させていただきました。

ゲーム関係では、水曜日に市川丈夫さん、浅野信二さん、奥津城常世さん、Sinさんとお会いし、原宿の紅茶専門店と新宿のドイツ料理店「カイテル」で、ゲームや歴史などの話題で盛り上がりました。「カイテル」は、料理やビールの美味しさに加えて、店内を埋め尽くすドイツ系統の「アイテム類」が面白く、最後にはオーナーのカイテルさんから日本酒(越乃寒梅)を振る舞われたりして、閉店時間まで話題は尽きませんでした。

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また、土曜日には堀場亙さんと一緒に美術館(後述)鑑賞と昼食の後、YSGAさんの例会に参加して会場でS&T誌付録ゲームの『レッドサン・レッドスター』をプレイしました。1939年7月のノモンハン紛争がテーマで、ソ連軍砲兵の威力(火力と弾薬量の両方)を実感できるゲームです。両方で劣る日本軍は、必然的に夜襲という「安上がり」な手段に訴えなくてはならなくなります。

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上京時の恒例となっている美術館巡りは、今回は他の約束が詰まっていたこともあり、国立新美術館の「セザンヌ-パリとプロヴァンス」と横浜美術館の「マックス・エルンスト-フィギュア×スケープ」の2つしか観られませんでした。しかし両方とも満足のいく内容で、特に後者はシュルレアリスム方面で従来よく知られた「鳥と人間の精密コラージュ」や「木目模様、絵の具押しつぶし模様の混じった風景」などの系統とは異なる作品も多く揃えてあり、エルンストという人物についての興味が深まりました。第一次世界大戦中、この人はどの戦線で従軍していたんだろう?

本当はもう一つ、上野で某展覧会を観るつもりでしたが、上野公園の桜を観ているうち、気がつくと上野動物園の前まで来ていたので、そのまま中へ入ってパンダなどの動物を見ることにしました。けっこういいですね、上野動物園。

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ご多忙のところ時間を取って下さった皆様、どうもありがとうございました。おかげさまで充実した一週間でした。またよろしくお願いいたします。

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2012年4月2日 [マザーランド]

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シックス・アングルズ第14号『ベアズ・クロウ』の反響は上々のようで、フェイスブックで画像や内容を紹介していたこともあり、海外からも問い合わせが多数届いています。先日は、「『ウエストウォール/アルンヘム』のマップのへクス2220(マルデン)に住んでます」というオランダ人のゲーマーから、いくつかの製品についての質問がありました。現在、このゲームの英語版についての交渉が大詰めに差し掛かっており、近日中に某メーカー系のサイトで何らかの発表があるかと思います。

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ところで、先日の記事でもご紹介しましたが、旧作の第9号付録『ウォー・フォー・ザ・マザーランド』を、『モスクワ攻防戦』『ベアズ・クロウ』ファミリーの一作として復活させる作業を現在進めています。ルールブックのPDFと新しい戦闘結果表を、以下のリンクでダウンロードしていただけます。

『マザーランド』改訂第3版ルール(PDF)
『マザーランド』改訂第3版戦闘結果表(JPEG)

まだ手直しをする可能性がありますが、先日の第1〜第5ターンのプレイテストでは、かなり良好な感触を得ることができました。まるで最初からこういうルールと戦闘結果表だったと思えるほど、違和感無くスムーズに進みました。ゲームをお持ちの方は、ぜひお試しください。

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それから、明日(4月3日)から土曜日(4月7日)まで、東京と横浜に出張します。この間、メールやツイッター、フェイスブックの確認ができなくなりますので、ご了承ください。よろしくお願いいたします。
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2012年3月26日 [マザーランド]

シックス・アングルズ第14号『ベアズ・クロウ』の店頭発売が、昨日開始されました。プレオーダーの数は、件数ベースで144件、冊数ベースでは155冊でした。600冊作ったうち、約400冊を既に出荷しており、今回は予想より早く商品が動いています。ご購入いただいた皆様、どうもありがとうございました。興味がおありの方は、ぜひ店頭で手に取ってご覧下さい。

さて、昨日、東京からケン先生が我が家にお見えになり、シックス・アングルズ第9号『ウォー・フォー・ザ・マザーランド』の改訂第3版ルールと改訂版戦闘結果表のテストを兼ねて、バルバロッサ作戦シナリオの対戦を行いました。午前中は地元の自治会に出席する必要があったため、午後からの対戦となり、1941年6月から8月IIまでの計5ターンしか進みませんでしたが、改訂第3版ルールと改訂版戦闘結果表は、どちらも上手く機能しているように感じられ、久しぶりのマザーランドを楽しめました。

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第3版ルールにおける変更箇所は、以下の通りです。

1. ゲームの手順変更。4〜6(※)の順序を入れ替え。
    1. 両軍補給フェイズ
    2. 枢軸軍移動フェイズ
    3. 枢軸軍戦闘フェイズ
    4. ソ連軍移動フェイズ(※)
    5. ドイツ軍機械化移動フェイズ(※)
    6. ソ連軍戦闘フェイズ(※)
    7. 管理フェイズ

2. 枢軸軍プレイヤーは、各ドイツ軍機械化移動フェイズに1個のみ、補給ユニットを選んでフルに移動させられる。

3. ユニットのZOCは、大河ヘクスサイドを越えない。また、隣接する大都市ヘクスに対しても、ユニットのZOCは及ばない。

4. 補給切れ状態のユニットも、通常のユニットと同様、ステップロスのペナルティ付きで敵ZOCを通って退却できる。

5. 移動フェイズ開始時に、敵ZOCにいるユニットでも、5.24項で認められた最低1ヘクスの移動(敵ZOCからの離脱も含む)を行える。

6. 枢軸軍のユニットは、経済資産ユニットまたはそれを含むソ連軍のスタックに対して、オーバーランを行うことができない。

7. オーバーランの実行ユニットと目標ユニットに対して、『モスクワ攻防戦』および『ベアズ・クロウ』と同様の、退却ヘクスの制限を適用。

8. あるターンの管理フェイズ開始時に、戦力減少状態の戦力チットを持つソ連軍の軍規模ユニット(兵科や種別は問わない)が、3個の工場ユニットと同じヘクスでスタックしているなら、ソ連軍プレイヤーはその戦力チットを「完全戦力状態」に戻すか、または新たな戦力チットを引き直して「完全戦力状態」でそのユニットに置くかの、どちらかを行える。

9. 降雪ターンの修正を変更。枢軸軍の攻撃/オーバーランに対しては、最初の冬に行う場合は左に2列コラムシフトした上、サイの目から2を引いて解決。二番目と三番目の冬については、左に1列コラムシフトした上、サイの目から1を引いて解決。ソ連軍が行う攻撃やオーバーランについては、降雪ターンでも修正なし。

10. 攻勢支援群の効果を「サイの目プラス3」から「サイの目マイナス3」に変更。

11. 攻城砲の効果を変更。攻城砲ユニットが、大都市または要塞に対する枢軸軍の攻撃に「直接参加」しているなら、戦力比を右に2列コラムシフトした上、サイの目から2を引いて解決。

12. 戦闘結果表を『モスクワ攻防戦』および『ベアズ・クロウ』と似たタイプに差し替え。戦闘は6面体、オーバーランは10面体サイコロで解決。0より小さいマイナスの欄を追加。

13. ソ連軍の復帰待ちユニットの早期回復。1942年3月・4月ターンとそれ以降の泥濘ターンの、ソ連軍移動フェイズの開始時において、ソ連軍プレイヤーは、その時点で復帰待ちとなっている(既に全滅した)各科統合軍ユニット(復帰ターンが決まっているものの、まだそのターンに到達していないユニット)の全てを、増援として地図上に登場させることができる。親衛軍、打撃軍、戦車軍は、この方式では復帰できない。

14. ソ連軍プレイヤーは、管理フェイズにおいて、補給下ないし補給不足の状態にある軍ユニットを、狙撃兵軍団2個に分割できる。

15. キャンペーン・シナリオでのソ連降伏の判定を変更。判定には10面体サイコロを使用。出た目が0ならば、ソ連邦はドイツに降伏したものと見なされ、枢軸軍の決定的勝利としてゲームは終了。1か2ならば戦意喪失。判定の瞬間にレニングラードとセヴァストポリがドイツ軍の支配下にあるなら、それぞれサイの目マイナス1修正(累積)。

16. 枢軸軍プレイヤーは、1941年6月ターンから9月/10月ターンまで(第1〜第7ターン)の間、補給ユニットの消費(9.26項)を行えない。

以上のような形となりますが、手順の変更と「機械化移動フェイズにおける補給ユニット1個の移動資格」、敵ZOCにいるソ連軍ユニットに対する「最低1ヘクスの移動資格(ZOC to ZOCの直接進入でない限り離脱も可)」の3つは、かなり効果の高い変更であるように感じました。

1の手順変更は、ソ連軍の移動を戦闘より先にしたことで、ソ連軍プレイヤーの攻撃をより効果的なものにする試みですが、それと同時に「ソ連軍の移動」と「ソ連軍の戦闘」の間に「ドイツ軍の機械化移動」を挟むことで、浸透移動で突進したドイツ軍の戦闘団が、ソ連軍戦闘フェイズの反撃で返り討ちに合うリスクも含ませることができたのでは、と思います。

5の修正(足の遅いソ連軍狙撃兵の敵ZOCからの離脱許可)により、ソ連軍プレイヤーは第1ターンから考えること・やることが増え、2の修正はソ連軍プレイヤーには「敵が機械化移動でどこまで突進してくるかを見切る悩み」を、枢軸軍プレイヤーには「次のターンで北方・中央・南方のどちらへの突進に重点を置くかという悩み」を提供するものとなっています。

また、3と8の修正により、包囲されたレニングラードの籠城部隊は原版よりも高い回復力を持つようになりました。戦力チットの回復に必要な軍需工場3つを持つ大都市は、モスクワとレニングラードですが、消耗戦でそのうちの1つでも失われれば、この特典も得られなくなります。

9の降雪ターンの修正変更は、原版の問題点として指摘されていた「冬季戦でドイツ軍の突進力が弱くならない」ことへの対処です。また、ソ連軍の修正を廃止し、冬季攻勢を思う存分に行えるようにしました。

13の「全滅ユニットの復帰前倒し」の効果については、今回はまだ検証できませんでしたが、第5ターン終了時の両軍ユニットと使用チットの記録を全てとりましたので、次回はこの続き(第6ターン開始時)からプレイを再開します。

1942年以降のソ連軍の弱体化も、原版の問題点として指摘されていましたが、この修正を加えたことにより、枢軸軍は1942年夏季攻勢に備えて1941年は可能な限り前進しておく必要があり、また最初の冬のソ連軍冬季攻勢に遭遇しても、可能な限り前線を下げずに、奥地で戦線を死守せざるを得なくなります。損害回避の為に退却すればするほど、1942年春に復帰するソ連軍全滅ユニットの登場地点は西となり、1942年の夏季攻勢の開始線は押し下げられてしまいます。

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これらの修正を全て盛り込んだ第3版(テスト用)ルールのPDFと新版戦闘結果表は、近日中にホームページで公開するつもりです。今回の抜本的改定で、『マザーランド』はより面白いゲームに生まれ変わると信じていますが、興味のある方はぜひ改訂第3版(テスト用)ルールと新版戦闘結果表でプレイして、結果をフィードバックしていただければと思います。

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2012年3月20日 [ベアズ・クロウ(熊の爪)]

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本日、シックス・アングルズ第14号『ベアズ・クロウ』のプレオーダー分の発送を行いました。プレオーダー条件での募集は、店頭発売日前日の3月24日午後11時59分まで受け付けていますので、興味のある方はぜひこの機会にどうぞ。

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