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2009年9月25日 [その他(テレビ番組紹介)]

日曜日に録画していた、TBSドラマ「官僚たちの夏」最終回を、昨日の夜に観ました。

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(画像はTBS公式サイトより)

主人公たちが必死に守ろうとしてきた「日本の産業界」が、政治的取引の犠牲となった怒りを「官僚」たちに向けて爆発させ、「善良な官僚」の代表(笑)である佐藤浩市と堺雅人が袋叩きにされて血を流しながら呆然と地面に横たわるというラストシーンは、いろいろな解釈が可能なためか、ネット上では「なんかスッキリしない終わり方だった」という声が多いようです。「悪いのは政治家で官僚じゃないんだよ」という昨今の官僚バッシングへの批判なのか、それとも「いいかげん心を入れ替えないといずれ貴様らもこうなるぞ」という腐敗・無気力官僚への警告だったのか。

番組をご覧になっていた方はおわかりかと思いますが、このドラマは一応「城山三郎原作」となっているものの、小説の忠実なドラマ化ではなく、昭和30~40年代の日本を舞台としながらも、当時の政治的・経済的状況を現代の日本に重ね合わせた、現代の価値判断基準に基づく「群像劇」となっています。そして、主演の佐藤浩市が要所要所で口にする言葉というのは、製作者が現代に生きる日本人(一般市民と現役官僚の双方)に向けて発したメッセージだと理解して間違いないと思います。

このドラマは、佐藤浩市と堺雅人に加えて、船越英一郎、高橋克実、高橋克典、杉本哲太、長塚京三、佐野史郎、西村雅彦、吹石一恵、そして北大路欣也といった名優の演技を堪能できるので、第一回から欠かさず観てきました(でも最終回を迎えたので民放は観る番組がなくなってしまった)が、これほど「アメリカ政府」をあからさまに「政治的・経済的に日本政府をいじめ続ける悪者」に仕立てたドラマというのは、夜9時代の大衆向け番組としては、ちょっと記憶にありません。そして、現代の日本における政治的・経済的状況を考えれば、今このタイミングで、こういう傾向のドラマが(経営不振のテレビ業界にしては不自然なほどに潤沢な制作費をかけて)作られた(そして通常の1クールドラマより長い期間にわたって放映された)というのは、果たして偶然なのだろうか、という疑念がほんの少し湧いてきます。

少し前に瀬戸さんと電話で話した時、このドラマとかNHKの「白洲次郎」とか、どうも「国策ドラマ」みたいな匂いがする番組が増えてきたという話題になりましたが、もしかしたら日米双方の上の方で、そろそろ「東西冷戦時代の遺物」を整理しようという合意が成立して、国民の意識改革を少しずつ始めたのかなぁ、という、穿った見方もできないことはないような気がします。そして、それを実行するには、国政の場でも「東西冷戦時代の遺物」をまず根元から排除する必要があったのかなぁ、などと想像してみたり。「核の密約」暴露も、なぜか(以前の価値判断基準だと不利益を被るはずの)アメリカ側が積極的に動いていたりしますし。ちなみに「官僚たちの夏」のメインスポンサーは、トヨタ自動車とNTTドコモという、日本を代表する二大企業でした。

歴史群像次号に掲載される「ベルリンの壁崩壊」でも詳しく書きましたが、東欧諸国は1989年に「東西冷戦時代の遺物」を整理する大事業をスタートしており、「東側」の軍事同盟であったワルシャワ条約機構は、1991年7月1日付で正式に解消されて、東欧駐留ソ連(ロシア)軍も完全に旧ソ連(CIS)領内へと撤収しました。あれから20年が経過した今、アジアでは未だに基本的には「東西冷戦時代」から続く安全保障体制を保持しており、在日米軍も冷戦時代のまま駐留し続けています。我々も、そろそろ従来の「日米同盟」に代わる新しい国際的枠組みを想像し、相応の責任を担うべく「意識変革」が必要な頃合いなのでしょうか。

いずれにせよ、登場する役者の演技が素晴らしかったので、それだけで私は満足できるドラマでした。桂ざこばも、なかなかの名演でしたね。

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