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2010年3月30日 [その他(テレビ番組紹介)]

今週は、シックス・アングルズ別冊第7号『ウエストウォール』のユニットと地図の制作を進めています。サンプル画像などの具体的な成果ができたら、随時このブログでご紹介します。

今日は、先日少しだけ触れたNHKの大河ドラマ「龍馬伝」について、ここまでの感想などを書いてみます。同じ局の「プロフェッショナル」が秋までお休みになってしまったので、毎週観る地上波のテレビ番組は、これだけになってしまいました。

実は、このドラマがスタートした時、無骨そうな坂本龍馬を、どちらかと言えば線の細い福山雅治が演じるとのことで、あまり興味が湧かず、スルーしていました(福山雅治という俳優が嫌いなわけではなく、フジで少し前にやっていた「ガリレオ」の主役や、「古畑任三郎」で板尾創路演じる同僚を殺してしまう犯人役もなかなか良かったと思います)。ところが、第3回か第4回くらいで、たまたま妻が観ていたので隣に座って少し鑑賞してみたところ、あっさりはまってしまいました。

まず最初に驚かされたのは、たぶん多くの人も感じていることだと思いますが、画面の濃淡というか「影」の使い方でした。従来のテレビのカメラは、俳優が汗をかくほど大量の光を必要とするらしいのですが、今回の撮影で使っている「プログレッシブカメラ(通称30Pカメラ)」という機材は、いろいろとネットで調べてみた限りでは、自然光に近い(さすがに屋内のシーンでは補助の光源が必要のようですが)明るさでも撮影可能で、焦点を合わせられる深度が深く、しかも比較的小型軽量なので、画質とアングルの両面で相当な自由度が得られているようです。

昨年末に同じくNHKでやっていた「外事警察」というドラマも、手持ちのカメラ(あれも恐らくプログレッシブカメラの一機種?)を多用した緊迫感のある仕上がりで、毎回楽しみにしていましたが、高性能のカメラを使うことで、自然の光と影を上手く生かした演出が可能になっているようです。例えば、龍馬が饅頭屋長次郎(大泉洋)から某事件の内幕話を聞く場面では、途中でスーッと福山雅治の顔に差す影が微妙に濃くなっていたと記憶していますが、内面の心の揺らぎを、影の濃さの変化で表現するというのは、乱暴な表現を使えば「映画的」な(従来のテレビドラマにはなかった)演出だという気がします。

もちろん、単なる技術的な向上だけでは、そんなに面白い番組にはならないわけで、やはりこのドラマが毎回高い視聴率を叩き出している最大の理由は、画面越しにエネルギーが伝わってくるほど全力で鎬を削りあう、存在感の強烈な俳優たちの演技力の総和だと思います。「最初はぼんやりしていた龍馬が、見聞を広めて少しずつ自己認識を深めていく」という成長過程の筋書きと関係があるのかどうかは不明ですが、福山雅治の演技は、回を重ねるごとにどんどん上手くなっている気がします。

このドラマの主役を引き受けるにあたり、福山雅治は「自分は演技力がないので、どうか上手い俳優で脇を固めて欲しい」という条件を出したそうですが、岩崎弥太郎(香川照之)、武市半平太(大森南朋)、坂本乙女(寺島しのぶ)をはじめ、実力のある俳優が発散する強烈な「演じるエネルギー」が、彼にとって大きな刺激となっているのは間違いないようです。特に香川照之の演技は、時に生じる笑ってしまうような滑稽さも含めて、年末に「坂の上の雲」の正岡子規役を見ても、物足りなさを感じるのではないかというほど、圧倒的だと感じました。

考証の正確さについては、事実関係の史実(と見なされていること)との相違などを幕末史に詳しい方がブログなどでいろいろと批判されていて、おそらくそれらの批判は正しいのだろうと思いますが、私は別にこの番組で幕末史を勉強しようという気はないので、それよりは「それぞれ一面で正しい思想や感情が正面からぶつかり合う」人間の葛藤がどれほど深く、多面的に描かれているかという、単純にドラマ的な興味でこの番組を楽しみにしています。広末涼子も、昔はただ可愛いだけの女の子という印象しかありませんでしたが、仕事でも実生活でもいろいろな経験を積んで、心の揺らぎを彼女にしかできない形で繊細に表現できる、深みのある女優さんになったなぁ、と感心しました。

いわゆるプロの「俳優・女優」以外でも、前回暗殺されてしまった吉田東洋(雨中の壮絶な襲撃と武市半平太が妻と静かに綺麗な絵を描いているシーンとのコントラストは、やっぱり「ゴッドファーザー」へのオマージュでしょうか?)を演じた舞踏家の田中泯や、飄々とした画家・河田小龍を演じたリリー・フランキー(第7回「遥かなるヌーヨーカ」で、弥太郎に「金持ちになる方法は、金持ちに聞け(笑)。…おまえも失格じゃ(爆笑)」と言い放ったシーンは最高でした)、溝渕広之丞のピエール瀧など、それぞれの役割を完璧に演じている脇役が何人もいて、次にどんな人がどんな役で出てくるのかという楽しみもあります。

ということで、結果的に番組をベタ誉めする内容の、つまらない記事になってしまいました(笑)。たぶん私とはまったく評価の違う人もいると思いますし、誰が観ても満足できる内容なのかどうかという判断は私にはできませんが、もし私と同じように「福山雅治の坂本龍馬」という疑問符でスルーされた方がおられたなら、ぜひ一度ご覧になられて、内容を確かめられるのがよいかと思います。

ガリレオ」で福山雅治と組んで成功した福田靖の脚本を含め、大勢の役者とスタッフがいいものを作ろうと全力で取り組んでいる姿勢が、綺麗な画面(アジアの田舎を旅するとよく見かける街中のシーンでの土埃や、弥太郎の顔、服、髪、歯などのウェザリング塗装も含めて)からひしひしと伝わってくる良く出来た番組だと、私は感じました。
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コメント 4

際

久しぶりの書き込みです。山崎さんの記事、興味深く読ませていただきました。
私は「龍馬伝」は見ていませんが、NHKの大河ドラマの素晴らしいのは、予算が民放の歴史ドラマと比べてケタ違いに多いからだと思います。
数年前、テレビ東京で「国盗り物語」を放送していましたが、鎧の軽さ、安っぽさに笑ってしまいました。
私は、去年の途中まで「天地人」は見てましたが、私の好きな武将の福島正則が投げ飛ばされたのを見てキッパリ見なくなりました(笑)
by 際 (2010-03-31 20:55) 

Cutter

RM伝は今までのNHK大河ドラマとはぜんぜん違う空気感があり、わたしも毎回楽しんでいます。劇中の音楽も秀逸だと思います。

ブランクへクスシートのデータ配布ありがとうございます。わがままなお願いを承知で書きますけど、ASLで自作マップを作るのに使えるサイズ・形式の(ヘクス番号ではなくA1,A2というヘクスID表示で中心にドットがある)ヘクスシートのデータがあるとさらにありがたいです。 (^^) 
by Cutter (2010-04-01 18:55) 

Mas-Yamazaki

際さま: コメントありがとうございます。NHKの番組制作は予算的な面で民放より有利だという話は、私も何かの記事で読んだ記憶があります。小道具や屋外ロケは、予算のかけ方の違いが露骨に出ますし、民放のスタッフはNHKを羨ましいと思っているかもしれませんね。

ただ、民放の場合はスポンサーから集めたお金の中から、広告代理店とテレビ局の取り分が差し引かれて、実際に制作に使えるお金がかなり減っているという話も、何かの記事で読んだ記憶があります。昨今、「テレビ局は広告スポンサー離れに苦しんでいる」という記事もちらほら目にしますが、今までやってきた「中抜き」システムの「胴元の取り分のバランス」が問われているのでは、という気もします。

ところで、福島正則が投げられたシーンというのは、木村佳乃に水平に投擲された、あのシーンでしょうか? 石原良純の役作りからして、ソフト路線というか「家族団欒向け」だった気がしますが、私がキャスティングするなら福島正則は作家の柘植久慶さんあたり、試してみたい気がします。ポイントは「相手を目で殺せるかどうか」です(笑)。
by Mas-Yamazaki (2010-04-05 20:15) 

Mas-Yamazaki

Cutterさま: コメントありがとうございます。「龍馬伝」の音楽は、曲調そのものも使い方も含めて、私も好きです。弥太郎のシーンでよくかかる「ドンチャカ、ドンチャカ」という滑稽味のある大層な曲も、はじめは違和感ありましたが、今では「いい味出している」と感じるようになりました(笑)。

ASL用のブランクへクスシートは、近いうちに制作して無料配布いたします。寸法を測るために、アバロンヒル版の細長い地図を何枚か調べましたが、白いドットがヘクスの中心からずれているものがけっこうあって、驚きました。
by Mas-Yamazaki (2010-04-05 20:20) 

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