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2011年12月31日 [その他(ウォーゲーム関係)]

いよいよ今日で2011年も終わりです。今年は、単行本『宿命の「バルバロッサ作戦」』を学研さんから出していただいたほか、同じく学研さんの『歴史群像』と『歴史群像アーカイブ』、KKベストセラーズさんの『歴史人』に、私の原稿や地図を多数掲載していただきました。ゲーム出版事業では、シックス・アングルズ別冊第7号『ウエストウォール』を5月に、別冊第8号『東方への突撃』を10月に、それぞれ出版することができました。

ということで、個人的にはそれなりに充実した一年だったと思いますが、しかし例年のようにのどかな気分になれないのは、テレビで観たショッキングな映像が今なお頭から離れないからでしょうか。来年は、いろいろな難しい問題が現時点での想定よりも早く、なおかつ実効的に解決して、我々の生活を取り巻く状況が良くなることを願わずにはいられません。

さて、来年の予定ですが、ある事情によりタイトルやテーマについては現時点ではまだ書けないものの、年末に脱稿した単行本が、何らかの形で世に出ることになるかと思います。出来映えについては、自分ではかなり満足していますので、興味のある方はぜひ楽しみにしていてください。

1月発売の『歴史群像』誌では、ソ連赤軍における「作戦術(オペレーショナル・アート)」研究の系譜と関連づける形で、1942年11月に開始された「ウラン作戦」を解説する記事が掲載されます。以前の記事でも少し触れましたが、戦史研究の分野で再評価されつつある「作戦術」とは何か、その概要と実戦における具体例をコンパクトに知る事のできる記事に仕上がったと思いますので、こちらも興味のある方はぜひ楽しみにしていてください。

ゲーム出版事業では、2012年は以下の3冊の出版を計画しています。

第14号 『ベアズ・クロウ: スモレンスク&キエフ=ウマーニ』 
第15号 『バルバロッサの場合/ゼーロフ&キュストリン 1945
別冊第9号 『突撃レニングラード(拡張版)

ベアズ・クロウ』は、既に本ブログでテスト状況を報告していますが、作業的にはそろそろ終盤という手応えがあります。「スモレンスク」と「キエフ=ウマーニ」のプレイテストは順調に回を重ね、贅肉と思われる部分がだいぶ削ぎ落され、各ルールが「収まるべき場所に落ち着きつつある」感じです。

バルバロッサの場合/ゼーロフ&キュストリン 1945』は、私のデビュー作である第2回タクテクス・オリジナルゲーム・コンテスト入賞作「バルバロッサの場合」(1989年)と、既に完売絶版となっているシックス・アングルズ第7号付録「ゼーロフ&キュストリン 1945」(2001年)の復刻新版2ゲームセットです。

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写真はタクテクス/ホビージャパン版)

バルバロッサの場合」は、シングル・ブラインドのシステムで1941年6月から11月までのバルバロッサ作戦を再現するゲームで、独ソ両軍の戦略規模での課題を表現しています。「ゼーロフ&キュストリン 1945」は、1945年4月に開始されたソ連赤軍のベルリン大攻勢の第一段階である「ゼーロフ高地の戦い」を描く作戦戦術級ゲームで、戦車ユニットは車種別(ケーニヒス・ティーガー、ヘッツァー、IS2など)に能力が異なっています。また、3月に実施されたキュストリン救出作戦のミニシナリオもついています。どちらも現在では入手が困難なゲームですが、今なお価値は失われていないのではないか、と考えています。「ゼーロフ&キュストリン 1945」は、第7号版では地図のサイズがA3でしたが、第15号ではA2(ハーフサイズ)に拡大して、プレイの利便性を向上させます。

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(写真はシックス・アングルズ第7号版)

突撃レニングラード(拡張版)』は、米国World Wide Wargames社から『The Wargamer』誌の付録として1980年に出版され、日本でもホビージャパン社から1981年にライセンス生産されたゲームの拡張版です。何が「拡張版」かというと、原版ではドイツ軍第4装甲集団がモスクワ攻勢のために引き抜かれる9月にゲーム終了となっていますが、そこでもし引き抜かれずにレニングラード攻勢を継続していたら、という仮想シナリオと、レニングラード市街戦を扱う仮想ミニシナリオ、そして1941年12月のティフヴィン攻防戦を描くヒストリカル・シナリオを、独自に追加する仕様となります。地図の領域も、東の方向へ少し拡張します。デザイナーのペリー・ムーア氏との間で、既に拡張版としてのライセンスのアグリーメントを取り交わしており、地味ではあるものの奥の深い傑作作戦級ゲームが、日本で三度目の誕生を迎えることになります。

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(写真はホビージャパン版)

ということで、今年一年、公私ともに多くの方にお世話になりました。皆様、どうもありがとうございました。来年もさまざまな仕事でベストを尽くす所存ですので、なにとぞよろしくお願いいたします。


【追伸】

エクスキャリバー社『バトル・フォー・スターリングラード』のプレオーダー分の発送は、1月4日頃になる模様ですが、お正月ということで、シックス・アングルズ別冊第1号のプレオーダー特典の「ドイツ空軍が撮影したスターリングラード市街の空撮写真のコピー」を、追加のおまけとして添付いたします。お年玉と言うには少々軽い(笑)アイテムですが、プレイの雰囲気づくりに役立てていただければ幸いです。

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コメント 4

作戦級の僕

あけましておめでとうございます。今年の新作予定三点はどれも興味深い内容ですね〜。「突撃レニングラード」はよくプレーしたゲームですが、拡張版はどんな風に変わるのか楽しみにしています。
by 作戦級の僕 (2012-01-03 20:18) 

戦史ファン

「バルバロッサの場合」はソロプレイ可能な作品でしょうか?
もしそうでなければ、ソロプレイルール等は用意されるのでしょうか?
当時の事はよくわかりませんので、こうして復刻されることは、うれしく思います。
by 戦史ファン (2012-01-03 22:09) 

Mas-Yamazaki

作戦級の僕さま: コメントありがとうございます。『突撃レニングラード』は、私も気に入っているゲームの1つですが、史実に基づく標準ゲームのままだと、せっかく用意されているレニングラード市街の拡大マップを使う機会がほとんど無いので、なんとかこれを活かす方法はないかと考えてきました。

ターン数が延長されると、当然ソ連側も新たな増援が投入される上、ドイツ軍の能力低下につながる酷寒の天候ルールも必要になるので、時間制限が無くなったからといって、ドイツ軍にとって有利になるわけではありません。その辺りの塩梅は、プレイテストを重ねて調整する予定ですが、比較的地味な印象の強い原版が、この拡張版によってより魅力的な商品になれば、と思っています。ぜひ楽しみにしていてください。
by Mas-Yamazaki (2012-01-04 22:43) 

Mas-Yamazaki

戦史ファンさま: コメントありがとうございます。『バルバロッサの場合』ですが、残念ながらブラインドシステム(互いに相手の見えないように地図上で駒を動かしたりトラック上でポイントを管理する方式)なので、ソロプレイには不向きです。「情報の制限」がゲームの根幹の1つなので、ソロプレイ用のルールというのも難しいですね。

ただ、両プレイヤー間でやりとりする情報の内容は、極限まで簡略化されています(ドイツ→ソ連は単語3つ、ソ連→ドイツは単語2つ)ので、例えばツイッターの「ダイレクトメッセージ」を使って、スマートフォンを使っての遠距離対戦というのも充分可能です。もちろんメールやチャットでこれらの情報をやりとりする方式もできると思います。

その意味では、『バルバロッサの場合』は通常の戦役級バルバロッサ作戦ゲームよりも、遠距離対戦に向いているゲームと言えるかもしれません。私も一度、通信での遠距離対戦というのを試してみようと思います。
by Mas-Yamazaki (2012-01-04 22:52) 

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