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2012年9月24日 [ベアズ・クロウ(熊の爪)]

今日は先週土曜日に大阪のゲームイベントで行いました、シックス・アングルズ第14号『ベアズ・クロウ』の「スモレンスク」の検証プレイについての話題です。当日は、継本さんと1回(全3ターン)、鹿内さんと1/2回(第2ターンの半分で残念ながら時間切れ)プレイし、ゲームバランスやシステムの問題点について検証しました。

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継本さんとのプレイ、第1ターンの1回目のドイツ軍移動終了時。初手で1613と1813に続けてオーバーランというパターンで試してもらい、1613はソ連軍狙撃兵の防御力3、1813は防御力4で、どちらも除去されました。ただし、2210の司令部は攻撃を受けたものの、幸運にも「6」の目が出て退却できました。

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第1ターン終了時。イェリニャを占領されてしまいましたが、ソ連軍は第1ターンに4個の「有効反撃チット」を獲得していたため、ドイツ軍の追加VPはなし。

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第2ターン終了時。スモレンスクは包囲されていますが、周囲は装甲部隊ばかりなので保持に成功。

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第3ターン終了時。勝利得点を計算すると、ドイツ軍は獲得VPへクスで30VP。対するソ連軍は、ドイツ軍自動車化歩兵師団1個全滅で3VP、ヘクスの保持で9VP、計9個の有効反撃チットで16VPの、計28VP。差し引き2点差でドイツ軍の勝利となりましたが、終盤に何個か迂闊にも間違った場所にソ連軍の増援を出していたことが発覚したため、本来ならあと3〜5点くらい点差が広がっていたと思われます。

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こちらは鹿内さんとのプレイ、第1ターン終了時。こちらも同じパターンの初手ですが、最初の1613では防御力4で戦闘結果「L/R」、1813では防御力5でオーバーランの結果はなんと「L1/-」。非常にソ連軍にとって幸運な出だしとなりましたが、第1ターン終了時にはスモレンスクの北でソ連軍ユニットがごっそり包囲されてしまいました。

当初の予定では、大久保さんと午後の対戦を行う予定でしたが、私が鹿内さんと対戦することになり、大久保さんは石田さんと1回、継本さんと1回、同じテーブルの隣でこのゲームを対戦しておられました。

ゲーム終了後とそのあとの呑み会で、ゲームの問題点について、お三方からいろいろお話をうかがうことができました。まず、異口同音に指摘されていたのが、初期配置におけるソ連軍司令部の場所で、ドイツ軍が1310と2210の2つの司令部を最初の手番で潰すことができれば(かなり高い確率で成功する)、ソ連軍は中央の前線に増援を投入できなくなるので、バランスが大きく崩れるというものでした。

最初は、この2つの司令部の配置へクスを変えるか、または第1ターンの(1)の増援に含めるかで対処しようかと思いましたが、ゲーム全体の流れについてのお話を聞くうち、問題はもう少し根深いものであることがわかってきました。

諸々の情報を総合すると、「スモレンスク」の最大の問題点は、ゲームの手順にあるように思われました。「キエフ=ウマーニ」の場合、ドイツ軍の機械化移動フェイズの後に来るのが、必ずソ連軍のフェイズであるため、ドイツ軍は敵の包囲を試みる際、浸透移動で突出した部隊がソ連軍の反撃を受けるリスクを常に考えないといけなくなります。

それに対し、「スモレンスク」ではドイツ軍機械化移動フェイズの後に来るのが必ずドイツ軍のフェイズであるため、実質的にドイツ軍は「ノーリスク」で機械化移動フェイズの突進を行うことができます。これは、デザイナーズ・ノート等で再三述べている、このゲームのデザイン・コンセプト(つまりドイツ軍プレイヤーがソ連軍機械化軍団の反撃を恐れながら前進せざるを得ないという展開)から大きく逸脱する流れであると言えます。

これがとりわけ威力を発揮するのが、ターン終了時から次のターン開始時に連なる「ターンまたぎ」の手順で、「キエフ=ウマーニ」だとソ連軍の補給線を切る為に、最後の機械化移動フェイズに車輛ユニットを浸透移動で突進させる作戦には大きなリスクを伴います。しかし、「スモレンスク」では自軍の補給線さえ注意して設定すれば、ソ連軍の反撃というリスクを一切考慮することなく、装甲師団や自動車化師団、あるいは弱体化した戦闘団ですら、安心して奥地に突進させることが可能になります。そして、包囲されて補給を切られたソ連軍ユニットは、次のターンのドイツ軍のフェイズで為す術もなくやられていきます。

実は私自身も、両ゲームで手順を変えたことが正しいのかどうか、過去のプレイ中に多少疑問に感じることはありました。今回の検証で、それが確信に変わったので、この重要な問題点を解消するため、「スモレンスク」のゲーム手順を「キエフ=ウマーニ」と同一のものにする、という修正を適用してみることにしました。つまり、各ターンの1回目と4回目のフェイズがソ連軍の移動/戦闘フェイズ、2回目と5回目のフェイズがドイツ軍の移動/戦闘フェイズとなります。3回目と6回目のドイツ軍機械化移動フェイズはそのままです。

この修正を適用した場合、ソ連軍プレイヤーはドイツ軍のアクションが開始される前に自軍の移動を行えるため、先に述べた司令部の位置を自由に変更できますし、狙撃兵部隊の戦線も修正可能です。もちろん望むなら機械化軍団で先手を取って反撃を行うこともできます。ソ連軍の増援登場スケジュールは、とりあえず現状のままとします(従って最初のフェイズには狙撃兵を2個、地図上に配置できます)。

この大きな変更に加えて、両ゲームに共通する基本システムについても、比較的小さな変更を3点ほど、適用することを検討中です。

そのうちの2つは、ドイツ軍の航空戦力ポイントについて。修正前のルールでは、ドイツ軍の航空戦力ポイントはオーバーランの支援にも投入でき、さらに最終的な戦力比を確認した後で投入するか否かを決めることができましたが、これを「オーバーランには投入不可」および「航空戦力ポイントを投入するか否かは、攻撃の実行を宣言した瞬間、つまり戦力比を確認したり防御側ソ連軍ユニットの数値を確認したりする前に決めなくてはならない」という風に変更します。

イベント後の呑み会で、鹿内さんから「アントライド・ユニットは何を表現しているか」というご意見を聞くことができました。その要旨は、ゲームにおけるアントライド・ユニットとは、単にソ連軍部隊の能力のばらつきだけではなく、その戦闘が発生した局面でのドイツ軍の状況、例えば一時的な弾薬や燃料の枯渇や、疲労の蓄積などをも含んだ、相対的な表現であり、戦力比を見てから航空戦力の投入をドイツ軍が選べるというシステムは、こうした「局所的情勢の相対的評価としてのアントライド・ユニットの意義」を大きく損なわせてしまう、というものでした。

確かに、私自身もそういった相対評価のつもりで、ドイツ軍の部隊は全て兵科と規模ごとに規格化して、共通する数値を割り振っていたのですが、航空戦力ポイントの投入決定のタイミングとの関連については、詰めが甘かったと言わざるを得ません。また、流動的な状況下で突発的に発生するオーバーランを、航空機で的確に直接支援するというのは、現代の米軍でも難しいのではないか、というご意見についても、まったくその通りで、ゲームの便宜的な効果を優先してしまった初版の処理は確かに問題があるように思われます。

残る最後の1つは、ソ連軍の増援登場についてです。現在のルールではソ連軍の地図端補給源に隣接するヘクスであっても、ドイツ軍のZOCが及んでいればソ連軍は増援ユニットを登場させられませんが、これを「ドイツ軍のZOCが及んでいてもソ連軍の地図端補給源に隣接するヘクスなら無条件で(スタック制限の範囲内で)増援ユニットを登場させられる」という風に修正しようかと考えています。

ゲームの終盤、ドイツ軍が地図東端のへクスにユニットをばらまき、2へクスおきにユニットを置いてZOCでスクリーンを形成させれば、わずかな兵力で広大な戦線を保持した上、ソ連軍の増援登場を阻止することが可能です。しかし、このテクニックもあまりにゲーム的である上、中央部におけるソ連軍の反撃余力が大きく削がれてしまうため、兄弟ゲーム『モスクワ攻防戦』のルール10.15項と同じく、ドイツ軍のZOCであっても増援ユニットは出せるようにするのが良いかと思われます。

以上、今回のフィードバックに基づくルール修正案(最終的な「改訂」とするには、まだ多少のテストは必要です)を整理すると、以下のようになります。

1. 「スモレンスク」のゲーム手順を、「キエフ=ウマーニ」と同じフェイズ順とする(4.0項の修正)。

2. ドイツ軍プレイヤーは、オーバーランの解決時に航空戦力ポイントを投入することができない(7.31項、10.21項、10.22項、10.23項の修正、「スモレンスク」「キエフ=ウマーニ」とも)。

3. ドイツ軍プレイヤーが、戦闘解決時に航空戦力ポイントを投入する場合、7.0項の手順5ではなく、1の手順開始時(双方の攻撃力と防御力の数値を見る前)に、投入するか否か(投入する場合はポイント数)を決定しなくてはならない(7.0項、7.31項、10.22項の修正、「スモレンスク」「キエフ=ウマーニ」とも)。

4. ソ連軍の増援ユニットは、ドイツ軍のZOCが及んでいても、自軍地図端補給源に登場できる(11.15項の修正、「スモレンスク」「キエフ=ウマーニ」とも)。

これらはいずれも最終決定ではなく、私自身も何度かテストしてから、最終的な「改訂」とするかどうかを決めたいと思います。このゲームを既にお持ちの方は、ぜひ上記の4点を修正したルールで、一度「スモレンスク」をプレイしてみてください。おそらく、初版ルールにおける問題点の多くは、解消あるいは改善できているのでは、と思います。

最後になりましたが、当日会場で「スモレンスク」を対戦してくださった継本様と鹿内様、貴重なご意見を下さった大久保様のお三方に、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
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