So-net無料ブログ作成
検索選択
その他(ウォーゲーム関係) ブログトップ
前の10件 | -

2017年6月11日 [その他(ウォーゲーム関係)]

5月28日から6月5日まで、アメリカのアリゾナとハワイに行ってきました。アリゾナのテンピで開催されたシミュレーション・ゲームのコンベンション「ConsimWorld Expo 2017」への参加が直接の目的でしたが、帰りにハワイで戦史関連の博物館をいろいろ取材しました。

01ホノルルイノウエ空港s.jpg

写真は、行き帰りで経由したホノルルのダニエル・イノウエ国際空港。イノウエ氏は、ハワイ生まれの日系二世で、戦中はアメリカ軍第442連隊戦闘団の一員としてヨーロッパでドイツ軍と戦った経歴を持ち、戦後は政界に入って上院議員や上院仮議長として活躍した人物です。2017年4月27日、ホノルル国際空港の正式名称が「ダニエル・K・イノウエ国際空港」に改称されました。

02テンペs.jpg

手前の四角い建物が、「ConsimWorld Expo 2017」が開催された、テンピの「ミッション・パームズ」というホテル。今回、私は「ゲスト・オブ・オナー(主賓)」という形で招待され、初日夜の開会式では私も少し話をしました。

03コンシムゲスト1s.jpg


04コンシムゲスト2s.jpg

英語でのスピーチは初体験だったので少し緊張しましたが、iPadに英文で書いた原稿を、古い友人で主催者のジョン・クランツ氏が添削してくれ、なんとかクリアできました。

05テンピ1s.jpg

ジョン・クランツ氏と。とても面倒見のいい人で、みんなから慕われていました。このイベントが毎年盛り上がっているのも、彼の人望だと思います。10数年前には、フェニックスの自宅に泊めてもらったこともあり、久々に会って個人的な話もいろいろしました。

1993年に米国ダラスで開催されたコンベンションに参加して以来、米国には10回ほど訪れていますが、2001年の9.11以降は行くのをやめていました。米国ゲーム業界のデザイナーやアートワーカーの友人とは16年ぶりの再会でしたが、ブランクは一瞬で解消し、最近の仕事(私が戦史関係だけでなく、政治関係の本や新聞記事を書いていることはフェイスブックの投稿で先方にも知られている)についても話しました。

06テンピ2s.jpg

ゲーム・デザイナー兼グラフィック・デザイナーのマーク・シモニッチ氏と。私はこのイベントに、同氏のデザインした『ウクライナ'43(第二版)』を持参して会場で二人の米国人とプレイし、シモニッチ氏と夕食を食べたあと、箱にサインをしてもらいました。ゲームデザインでもアートワークでも、参考になることが多いので、特に尊敬している人物です。

07ユーストs.jpg

こちらもゲーム・デザイナー兼グラフィック・デザイナーのジョー・ユースト氏と。ゲームの話、アートワークの話に加えて、政治の話でも盛り上がりました。日本では「旅先では政治と宗教の話は禁物」みたいな話がもっともらしく語られていますが、私はアメリカでもヨーロッパでもアジアでも、友人と政治や宗教の意見交換をよくやります。むしろ、同国人の間ですらこれらに触れたがらない日本人の方が、世界では珍しいような気がします。

08テンピ3s.jpg

ランディ・ヘラー氏(真ん中、アバロンヒル『ビター・ウッズ』のデザイナー)、ポール・ケーニグ氏(右)と。ヘラー氏は米海軍の退役軍人ですが、医療関係の任務に就いていたとのこと。

09テンピ4s.jpg

ジャック・グリーン氏(右奥、ホビージャパン『アイアンボトム・サウンド』等のデザイナー)、デーナ・ロンバーディ氏(右手前、L2『ストリーツ・オブ・スターリングラード』等のデザイナー)と。お二人とも、とてもやさしいおじさんです。グリーン氏は1980年代に日本のホビージャパンがゲームを出版していた頃、さまざまな形で関わっておられたので、日本のゲーマーにもなじみ深い人物。

10テンペ室内s.jpg

プレイ会場のようす。主にビッグゲームをプレイしている人が多いですが、あちこちでデザイナーとスタッフが新作ゲームのプレイテストを行っていました。貴重な機会ということで、深夜までプレイに熱中している人も。

11スターリングラード42s.jpg


12スターリングラード42s.jpg

私が一番注目したのがこれ。シモニッチ氏が仲間とテスト中の新作『スターリングラード'42』(たぶんGMT社)。フルマップ2枚で、青作戦の始まり(1942年6月)から1943年1月初めまでをカバーする作戦級で、システムは『ウクライナ'43(第二版)』とほぼ共通。先に完成した、マーケット・ガーデン作戦を扱う『オランダ'44』は、GMT社から8月か9月頃発送とのこと。

13ストリーツs.jpg


14ストリーツs.jpg

デーナ・ロンバーディ氏の『ストリーツ・オブ・スターリングラード』は、第四版のテストが行われていました。ヴォルゴグラードの公文書館で詳細な新史料が見つかり、独ソの地上部隊はもちろん、河川小艦隊や航空戦力などの編制もより正確になるとのことでした。

15バルジ大隊s.jpg


16バルジ大隊s.jpg

GMT社で企画中の『ア・タイム・フォー・トランペッツ』。大隊レベルのバルジゲーム(タイトルはチャールズ・マクドナルドのバルジ戦本と同じ)で、デザイナーはアバロンヒル『シージ・オブ・エルサレム』などを手かげたブルーノ・シニガーリョ氏。ランディ・ヘラー氏らと夕食を食べた時に同席され、いろいろ昔の話を聞けました。

17サードウインターs.jpg


18サードウインターs.jpg

MMP社のスタッフがテストしていたOCSの新作『サード・ウインター』。1944年初頭の東部戦線ウクライナでの激闘を、複数のシナリオで再現。マップにはキエフからオデッサまで、リヴォフからニコポリまでが含まれています。

19ユタビーチs.jpg


20ユタビーチs.jpg

こちらではMMP社のGTSの新作『ザ・グレイテスト・デイ:ユタ・ビーチ』がテスト中でした。1944年のノルマンディー上陸作戦で、オマハ・ビーチの西に位置する戦域での戦いがテーマ。

21マクゴワンカードs.jpg


22マクゴワンカードs.jpg

ロジャー・マクゴワン氏とデーナ・ロンバーディ氏がタッグを組んで制作・テスト中の新作『ザ・グレート・ウォー』。第一次大戦がテーマのカードゲームで、マクゴワン氏のおなじみのイラストもふんだんに使われています。

23ジョーズs.jpg

ニュー・イングランド・シミュレーションズ(NES)でテスト中の新作『ジョーズ・オブ・ビクトリー』。1944年初頭の東部戦線コルスン包囲戦がテーマで、『キリング・グラウンド』同様に戦力チットを併用しています。

24南十字星s.jpg


25南十字星s.jpg

コンシム・プレスで何年も前からテストを重ねているという新作『ベネス・ザ・サザン・クロス』。南太平洋を舞台にした、太平洋戦争期の空母戦ゲームで、艦艇を艦隊に編成して運用するヘビーなゲーム。

26太平洋s.jpg

こちらもコンシム・プレスでテスト中の『ザ・ウォー:パシフィック 1941-1945』。フルマップ二枚で太平洋戦争全体を扱う戦略級ゲーム。

27オストフロントs.jpg


28オストフロントs.jpg

クレイグ・ニニッチという人がテストしていた『オストフロント』。師団レベルで独ソ戦全体をプレイするモンスターゲームで、生産ルールなども凝っています。マップにはムルマンスクやバクーも含まれています。

29デスライドクルスクs.jpg


30デスライドクルスクs.jpg

グロニャール・シミュレーションズのチームがテストしていた『デス・ライド・クルスク』というモンスターゲーム。1943年のクルスク戦の南部戦域、第3装甲軍団戦区の戦いを、小隊レベルのユニットで再現する野心作です。

ゲーム紹介の写真点数がかなり多くなったので、ハワイでの話は次回に紹介します。
 
 
 
nice!(1)  コメント(0) 

2016年2月21日 [その他(ウォーゲーム関係)]

久々の更新です。先週火曜日(2月16日)から木曜日(18日)まで、二泊三日で東京/横浜へ行ってきました。仕事の打ち合わせと面会が計9件あり、仕事以外の友人とは会えずじまいでしたが、フェルメールと17世紀オランダ絵画の展覧会(六本木ヒルズ)は隙間の時間に挟んで観ました。会場に年配の鑑賞客が多くて驚きました。

この中日の2月17日付の神奈川新聞さんに、神社本庁の主導で全国の神社で進められている「改憲賛成署名運動」についての私のインタビューが掲載されました。同紙は、2月16日〜19日(今日)までの4回シリーズで「日本会議を追う」という記事を掲載していました。

20160217神奈川新聞1.png


20160217神奈川新聞2s.png


20160217神奈川新聞3s.png


それから、シックス・アングルズ第11号『モスクワ攻防戦』と、別冊第8号『東方への突撃』、別冊第9号『独ソ戦コレクション-2: 突撃レニングラード&スターリングラード』、別冊第10号『パンツァークリーク』が、完売となりました。

中国のいくつかの小売店さんから、まとまった注文があり、もともと残部僅少になっていたタイトルが一気に大陸へ飛んでいきました。残りのタイトルは、まだ一定数ありますが、動き始めると速いかもしれません。興味のあるゲームがある方は、早めの入手をお薦めします。

ブログ用完売モスクワ.jpg


ブログ用完売東方突撃.jpg


ブログ用完売突レニ.jpg


ブログ用完売パンクリ.jpg




nice!(0)  コメント(0) 

2015年11月3日 [その他(ウォーゲーム関係)]

ベルリン試し刷り.png


シックス・アングルズ第16号『ベルリン陥落 1945』は、現在印刷段階に入っており、予定通りに今月中に発売できそうです。プレオーダーを下さった皆様、もう少しお待ちください。上の画像は、校正用の試し刷りです。

さて、今日は最近いただいた、あるメールをご紹介します。お名前は伏せ字にしますが、ここに書かれているのと同じような話を、取材を受けた新聞記者さんや雑誌編集者さんからもよく質問されます。

────────────────────────────

山崎雅弘様

はじめまして。 ●●と申します。

ツイッターでのリベラルな発言でよく目にする「山崎雅弘」氏。なんか見かけたことのある名前だなあと思い、プロフィールを見ると、戦史関係の著作のある方らしい・・・

え? もしかして、あのシミュレーションゲームデザイナーの山崎雅弘さん? Wikipediaなどを参照して、やはり、どうも同一人物なのは間違いなさそうだ。

ということで、突然のメール失礼します(笑)

こういっては何ですが、SLGやる人って右寄りの人たちが多そうで、極めてまっとうな民主主義的発言をされている人物と、どうも結びつかなかったのです(笑) 戦史・ミリタリー関係が好きだけど、思想的にはリベラルという人物は、宮崎駿さんに次いで2例目です、自分の中では(笑)

こんなメールを出す以上、自分もSLGを趣味としています。とはいえ、一番やったのは、中学・高校時代で、今ではたまにコマンドマガジンやゲームジャーナルを購入したり、昔欲しかったゲームをヤフオクで落札したりといったくらいのことしかしてません。ふと、対戦を求めイベントへの参加を考えたりしますが、ネトウヨみたいな人たちがばかりだと、気分悪いだけですから、参加は見送っています。

それにしても、とんでもない時代になったものですね。SLGが流行った80年代から、たかだか二、三十年ほどでこんなに変わるなんて。。。

こんな時代ですので、民主主義者がしっかり声を上げて行くというのはとても大事なことですよね。当方といえば、今夏の安保法制反対デモに相当参加しました。採決の日は徹夜して国会議事堂前で声あげていました。あと、政党や議員宛にメールするとかやってます。自分にできることといったらこのくらいですので。

とりとめのない内容ですみません。SLGをやり、かつリベラルな人がいらしたということが嬉しかったため、メールさせていただいた次第です。

これからも、極々まっとうな民主主義者の立ち位置からの言論活動、応援しています!

#『戦前回帰』はすごくいい本だと思います!
#『ハリコフ大戦車戦』(翔企画)では、かなり遊ばせてもらいました(笑)

────────────────────────────

このメールに対し、私は以下のような返信をお送りしました。

────────────────────────────

●●さま


こんばんは。とても興味深いメールを、ありがとうございます。

シミュレーション・ゲーム愛好家を含め、軍事マニア/オタクと呼ばれる人は一般に「右寄り」だとされていますが、私の見るところ、「右寄り」というよりは「左翼嫌い」や「朝日新聞嫌い」が多いような気がします。

その理由については、私にもなんとなくわかる気がします。表面的な「綺麗ごと」で戦争や歴史を語ったり、自らが正義であるかのような高飛車な態度で「軍事」にまつわる問題を切り捨てるような傾向が、「左翼」や「朝日」には多々あったことは事実だと思います。自衛隊員が相応の社会的地位を長らく得られなかったのも、そうした人々の行動に原因があったのでしょう。

けれども、最近はそうした「左翼嫌い」や「朝日新聞嫌い」の人が、自分と同じように「左翼」や「朝日」を攻撃しているからという、ただそれだけの理由で、安倍政権を応援する側に立っている例も多いような気がしています。例えば安保法制の議論でも、首相の代わりに自分が論理的に説明してやる、という人は皆無で、ひたすら反対派を「左翼」や「朝日」に結びつけて罵倒するだけのような人を多く見ます。

ご存知かと思いますが、ナチスは、ドイツ国民(および占領した北欧・西欧の国民)の支持を集めるために「共産主義の脅威」を煽る手法を使い、それに応えて「自分は反共だから」という理由でナチスに加担した人が少なからずいました。1945年4月から5月の、首都ベルリンを防衛する戦いにおいて、ヒトラーの側に立ってベルリンを守ったSS部隊は、オランダ人やノルウェー人などの「反共義勇兵」部隊でした。しかし歴史的に見れば、スターリンを敵視してヒトラーの側につくというのは、きわめて愚かな選択であり、そうした(共産主義か、ナチスかという)二者択一以外にも、自国の将来にとって良い道はいくつも存在したはずでした。

それと同様のことが、今のこの国でも起こっているような気がしてなりません。「左翼」や「朝日」が間違っているからといって、それらを批判する「安倍政権」が正しいということにはなりません。敵の敵は味方、という単純な二者択一を安易に受け入れるのではなく、今この国で何が起こっているのか、そしてこのまま社会の変化を放置・傍観した場合に、この国がどんな道に進むのかを、過去の歴史を道しるべにしながら理解し、手遅れにならないうちに是正する必要があるように思います。

ちなみに私も、今年の夏はデモや集会に何度も参加し、8月30日の国会議事堂前の抗議集会もど真ん中で声をあげました。過去の歴史をそれなりに知る者の責任として、自分の目の前で作られつつある「歴史」に、今後もさまざまな形で関わっていくつもりです。

ところで、今回いただいたメールの文面ですが、お名前を伏せ字にした上で、ブログに転載させていただいてもよろしいでしょうか? おそらく、こういう話題に関心がある方は、●●さん以外にもおられると思いますので、ブログの記事にすれば、興味を持って読まれる方もいるかと思います。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


山崎雅弘

────────────────────────────

ブログ転載という私の申し出に対し、このメールの送り主の方は快く了承して下さいました。私の考えの全てを説明できているわけではありませんが、この記事をお読みになられる方々のご参考になればと思い、今回はこのような形にしました。

「歴史を研究する者は、目の前で進行している歴史の生成に関与してはならない」というような、タイムトリッパー的な「傍観主義」に基づいて、社会の政治的変化に沈黙・傍観の態度をとる歴史家や歴史研究者もおられるようですが、私はそのような考え方には与しません。なぜなら、もう取り返しのつかない段階に事態が進展してから、望ましくない歴史の流れを止めようとしても手遅れである、ということも、過去の幾多の歴史が我々に教える厳然たる現実だからです。

現在のドイツ連邦軍では、ナチス時代の反省から「上官の命令には絶対服従」という考え方が原則として否定され、たとえ上官の指示であっても、非人道的な命令には従わなくてもよいという「抗命権」が認められています。その前提にあるのは、「軍人も軍人である以前に一人の市民である」という民主主義国の価値判断です。それと同様、民主主義国に生きる歴史家や歴史研究者もまた、一人の市民として、自分の属する社会の健全さの維持に対し、責任の一端を負う立場にあるはずです。

例えば、半藤一利さんや保阪正康さんは、厳密には「歴史家」でなく「ノンフィクション作家」ですが、過去の歴史をよく知る一市民としての社会的責任を、きちんと果たされていると思います。お二方が様々なメディアでされているのは、単なる「政権批判」ではなく「過去の失敗事例と共通するパターンの再来に対する警告」であり、政治思想とは別に、誰もが落ち着いて耳を傾けるべき「警鐘」です。

また、現在の日本政府がとっている、重要な政策決定の審議経過に関する記録を残さなかったり(内閣法制局)、国会での議論を記録した議事録に「実際には存在していない架空のやりとり」を捏造して追記する(参議院)などの「歴史に対する背任」行為は、後世の歴史家の研究を著しく妨害するものであり、同時代の歴史家は後世の歴史家の代理人として、直接的な抗議の声を挙げる責任を負っているようにも思えます。1945年の敗戦当時、重要な歴史的史料が大量に破棄・焼却されたために、市民虐殺や慰安婦問題、人体実験などに関する当時の実情を知る手がかりがあちこちで失われている現状を鑑みれば、そうした「歴史に対する背任」がどれほど悪質で、後世の人々に対して不誠実な態度であるかを理解できるはずです。

政治権力が当たり前のように歴史研究に介入して、時の権力者に都合のいい歴史だけを書かせ、不都合な歴史は書くことを禁じるという政治体制の国は、戦前戦中の日本やドイツを含め、過去にいくつもありましたし、現在も少なからず存在しています。今まで、私が世界中の戦史や紛争史についての原稿を自由に書けていたのは、私が生きてきた戦後の日本社会が「幸いにもそういう政治体制ではなかった」からですが、来年以降もそうであり続けるのか否かは、今を生きる日本人の行動と態度によって左右されます。そういう重要な分岐点に、我々は今立っていると、私は理解しています。

メールの文面の繰り返しになりますが、私も「過去の歴史をそれなりに知る者の責任」として、自分の目の前で新たに作られつつある「歴史」がどのようなものなのかを判断・評価しながら、今後もさまざまな形で関わっていくつもりです。



【追記】

シミュレーション・ゲーム(SLG)愛好家のイベントや定例会について、誤解があるといけないので少し補足しておきます。私がよく出入りしているゲームクラブの定例会で、いわゆる「ネトウヨみたいな人」と遭遇して嫌な思いをしたことは一度もありません。

シミュレーション・ゲーム愛好家は、基本的に「歴史好き」の人が多く、会場ではいつも個々のゲームの背景の歴史についての話で盛り上がりますが、公共スペースなので、みな社会人としての節度を守ってコミュケートしています。



nice!(1)  コメント(0) 

2015年1月13日 [その他(ウォーゲーム関係)]

SL08s.JPG

今日は訃報です。

私の最も尊敬する戦史シミュレーション・ゲーム・デザイナーのジョン・ヒル氏が、2015年1月12日に急性心筋梗塞で亡くなったとの知らせがありました。ヒル氏は、シミュレーション・ゲーム業界を築いた巨人の一人で、傑作『スコードリーダー』をはじめ、数多くの優れたゲームをデザインし、コミュニティの繁栄に貢献されました。

ジョン・ヒルあ.jpg

私がシミュレーション・ゲームの世界に足を踏み入れたのも、14歳の時に彼のデザインした『スコードリーダー』をプレイしたのがきっかけでした。上は、1996年のオリジンズ(米国オハイオ州コロンバスで開催されたボードゲームのコンベンション)で、初めてヒル氏とお会いした時の写真です。会場で幸運にも手に入れた、空が紫色の『スコードリーダー』の箱にサインをお願いしたら、カン高い元気な声で「おう、初版じゃねえか!」と笑いながら、快く書いて下さいました。

SLパープル1.png

ヒル氏がいなければ、私はこのホビーにここまで深入りすることはありませんでした。また、版権契約の関係で、ヒル氏とは直接やりとりする機会がありませんでしたが、シックス・アングルズ別冊第1号として、彼がデザインした傑作『スターリングラード攻略』の日本版を出すことができたのも、忘れられない思い出です。

bfscover.jpg

ジョン・ヒルさん、本当に、ありがとうございました。

謹んでご冥福をお祈りします。

SL13s.JPG

nice!(0)  コメント(0) 

2013年10月18日 [その他(ウォーゲーム関係)]

今日は、シミュレーション・ゲーム関係の話題を二つほど。

PKcover01.jpg

まず、シックス・アングルズ別冊第10号『パンツァークリーク』の制作作業が、予定より遅れています。前回の記事でもお伝えしました通り、残りは本誌の編集作業のみなのですが、KKベストセラーズさんの『歴史人』誌別冊の32ページ分の原稿と収録地図10点の仕事を先に仕上げる必要があり、『パンツァークリーク』の作業は来週中頃まで中断することとなりました。

既にプレオーダーをいただいた方をはじめ、発売を楽しみにされている方には大変申し訳ありませんが、11月には発売する予定ですので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。プレオーダーは、引き続き同条件で募集を継続いたします。

CMJ.JPG

次に、国際通信社さんの『コマンド・マガジン日本版』最新号(第113号)が、本日手元に到着しました。今回の付録ゲームは、DDH社の『ゲティスバーグ会戦』と『アンティータムの戦い』という、同一システムで米国南北戦争の著名な戦いを描くハーフサイズのゲーム2個セットです。

CMJ2.JPG

本誌記事の「ゲティスバーグ会戦ゲーム55年史」は、かつての『タクテクス』誌(初期)を彷彿とさせる内容で、(シミュレーション・ゲームの)有史以来、デザイン・出版されたゲティスバーグ戦ゲームを網羅的に紹介しています。

CMJ3.JPG

今回のコマンド誌には、私も超久しぶり(記事筆者としては15年ぶり!)に記事を2本寄稿しています。1本は、特集記事に関連した「日本人デザイナーの見た戦場」で、私がかつてデザインしたミニゲーム『ゲティズバーグ1863』に関するデザイナーズ・ノート的な記事です。

GettysburgMap.jpg


GettysburgMap2.jpg


GettysburgMap3.jpg

このゲームは、個人的には思い入れのある小品で、機会があればプレイしたいと思っています。上の画像は『シックス・アングルズ・コレクション』版の『ゲティズバーグ1863』ゲームマップの拡大画像です。

CMJ4.JPG

もう1本は、この号から連載としてスタートした「第7の視角」で、第1回はシックス・アングルズ別冊第9号『独ソ戦コレクション-2』の1作「突撃スターリングラード」のデザイナーズ・ノートです。1942年7月から10月までのスターリングラード攻防戦がテーマで、拡大地図を使った市街戦と、郊外でのソ連軍による側面攻撃の両方をプレイできる作戦級ゲームです。


ところで、先日の台湾旅行で現地のゲーマーと交流し、ゲーム談義に花を咲かせた影響か、最近は新作への意欲も高まっており、帰国してからいくつかゲームを購入しました。

afghan.JPG

GMT『アンデスの深淵(Andean Abyss)』と同じ「COIN(対反政府勢力)」シリーズの新作『遥かなる地平(A Distant Plain)』。電子書籍『米軍のアフガニスタン戦争』で解説している、現代アフガニスタンの紛争を、政府・米軍+多国籍軍・軍閥・タリバンの四つ巴の構図でプレイします。

mw01.JPG


mw02.JPG


mw03.JPG

こちらは、デシジョン・ゲームズの現代戦ゲーム雑誌『モダーン・ウォー』最新号の付録『聖なる地(ホーリー・ランド)』。近未来に起こりうる第五次中東戦争がテーマで、シリア内戦を扱うバリアントも収録されています。本誌のページをめくると、ステーキハウスの通販広告が掲載されていたりして、ゲーム雑誌の趣も変わったなぁ、と感じます。

新作のアイデアもいくつか湧き出ており、テスト用のマップ作成なども仕事の合間に始めていますが、それについては次回以降に。
nice!(0)  コメント(0) 

2012年1月12日 [その他(ウォーゲーム関係)]

シックス・アングルズ第13号『ツィタデレ: クルスクの決戦』と、別冊第4号『砂漠のキツネ』が、完売(出荷前在庫なし)となりました。ご購入いただいた皆様、ありがとうございました。この2点につきましては、重版の予定はなく、現在市場に出ている商品のみとなりますので、購入をご検討されている方はお早めにどうぞ。

zitadelle_cover01.jpg


desertfoxcover.jpg

nice!(0)  コメント(0) 

2011年12月31日 [その他(ウォーゲーム関係)]

いよいよ今日で2011年も終わりです。今年は、単行本『宿命の「バルバロッサ作戦」』を学研さんから出していただいたほか、同じく学研さんの『歴史群像』と『歴史群像アーカイブ』、KKベストセラーズさんの『歴史人』に、私の原稿や地図を多数掲載していただきました。ゲーム出版事業では、シックス・アングルズ別冊第7号『ウエストウォール』を5月に、別冊第8号『東方への突撃』を10月に、それぞれ出版することができました。

ということで、個人的にはそれなりに充実した一年だったと思いますが、しかし例年のようにのどかな気分になれないのは、テレビで観たショッキングな映像が今なお頭から離れないからでしょうか。来年は、いろいろな難しい問題が現時点での想定よりも早く、なおかつ実効的に解決して、我々の生活を取り巻く状況が良くなることを願わずにはいられません。

さて、来年の予定ですが、ある事情によりタイトルやテーマについては現時点ではまだ書けないものの、年末に脱稿した単行本が、何らかの形で世に出ることになるかと思います。出来映えについては、自分ではかなり満足していますので、興味のある方はぜひ楽しみにしていてください。

1月発売の『歴史群像』誌では、ソ連赤軍における「作戦術(オペレーショナル・アート)」研究の系譜と関連づける形で、1942年11月に開始された「ウラン作戦」を解説する記事が掲載されます。以前の記事でも少し触れましたが、戦史研究の分野で再評価されつつある「作戦術」とは何か、その概要と実戦における具体例をコンパクトに知る事のできる記事に仕上がったと思いますので、こちらも興味のある方はぜひ楽しみにしていてください。

ゲーム出版事業では、2012年は以下の3冊の出版を計画しています。

第14号 『ベアズ・クロウ: スモレンスク&キエフ=ウマーニ』 
第15号 『バルバロッサの場合/ゼーロフ&キュストリン 1945
別冊第9号 『突撃レニングラード(拡張版)

ベアズ・クロウ』は、既に本ブログでテスト状況を報告していますが、作業的にはそろそろ終盤という手応えがあります。「スモレンスク」と「キエフ=ウマーニ」のプレイテストは順調に回を重ね、贅肉と思われる部分がだいぶ削ぎ落され、各ルールが「収まるべき場所に落ち着きつつある」感じです。

バルバロッサの場合/ゼーロフ&キュストリン 1945』は、私のデビュー作である第2回タクテクス・オリジナルゲーム・コンテスト入賞作「バルバロッサの場合」(1989年)と、既に完売絶版となっているシックス・アングルズ第7号付録「ゼーロフ&キュストリン 1945」(2001年)の復刻新版2ゲームセットです。

123101.JPG

(写真はタクテクス/ホビージャパン版)

バルバロッサの場合」は、シングル・ブラインドのシステムで1941年6月から11月までのバルバロッサ作戦を再現するゲームで、独ソ両軍の戦略規模での課題を表現しています。「ゼーロフ&キュストリン 1945」は、1945年4月に開始されたソ連赤軍のベルリン大攻勢の第一段階である「ゼーロフ高地の戦い」を描く作戦戦術級ゲームで、戦車ユニットは車種別(ケーニヒス・ティーガー、ヘッツァー、IS2など)に能力が異なっています。また、3月に実施されたキュストリン救出作戦のミニシナリオもついています。どちらも現在では入手が困難なゲームですが、今なお価値は失われていないのではないか、と考えています。「ゼーロフ&キュストリン 1945」は、第7号版では地図のサイズがA3でしたが、第15号ではA2(ハーフサイズ)に拡大して、プレイの利便性を向上させます。

123102.JPG

(写真はシックス・アングルズ第7号版)

突撃レニングラード(拡張版)』は、米国World Wide Wargames社から『The Wargamer』誌の付録として1980年に出版され、日本でもホビージャパン社から1981年にライセンス生産されたゲームの拡張版です。何が「拡張版」かというと、原版ではドイツ軍第4装甲集団がモスクワ攻勢のために引き抜かれる9月にゲーム終了となっていますが、そこでもし引き抜かれずにレニングラード攻勢を継続していたら、という仮想シナリオと、レニングラード市街戦を扱う仮想ミニシナリオ、そして1941年12月のティフヴィン攻防戦を描くヒストリカル・シナリオを、独自に追加する仕様となります。地図の領域も、東の方向へ少し拡張します。デザイナーのペリー・ムーア氏との間で、既に拡張版としてのライセンスのアグリーメントを取り交わしており、地味ではあるものの奥の深い傑作作戦級ゲームが、日本で三度目の誕生を迎えることになります。

123103.JPG

(写真はホビージャパン版)

ということで、今年一年、公私ともに多くの方にお世話になりました。皆様、どうもありがとうございました。来年もさまざまな仕事でベストを尽くす所存ですので、なにとぞよろしくお願いいたします。


【追伸】

エクスキャリバー社『バトル・フォー・スターリングラード』のプレオーダー分の発送は、1月4日頃になる模様ですが、お正月ということで、シックス・アングルズ別冊第1号のプレオーダー特典の「ドイツ空軍が撮影したスターリングラード市街の空撮写真のコピー」を、追加のおまけとして添付いたします。お年玉と言うには少々軽い(笑)アイテムですが、プレイの雰囲気づくりに役立てていただければ幸いです。

BfS01.JPG

nice!(0)  コメント(4) 

2011年10月21日 [その他(ウォーゲーム関係)]

preorder01s.JPG

昨日、シックス・アングルズ別冊第8号『東方への突撃』プレオーダー分を発送しました。今回は、SPI社製品のようなブランドのネームバリューは期待できないため、多少心配でしたが、注文件数で134件、冊数では140冊と、まずまずの結果となりました。ご注文くださった方、どうもありがとうございます。店頭発売は10月25日(火)となりますので、まだの方はぜひご検討ください。

preorder03s.JPG

さて、2011年も残り2か月ちょっととなりましたが、シックス・アングルズ方面の事業に関して、今後の方針を少し表明してみようと思います。

【1】 将来における「商品値下げ」の中止について

まず、シックス・アングルズの今後の販売戦略についてですが、現在発売中の別冊第7号『ウエストウォール』と、新刊の別冊第8号『東方への突撃』、および今後発売するシックス・アングルズ製品については、仮に将来在庫が残っても、半額に値下げすることはしないと決定しました。

先日、第9号から第13号と別冊第4号について、売れ残りの商品を半額に値下げしましたが、これは停止状態にある在庫が動いてくれること(そして保管場所のスペースを縮小すること)を期待した決断でした。しかし、実際には値下げ後も大きく売れ行きが増えることはなく、値下げによる流動性の確保という目的は達成できなかったように見えます。

また、長年にわたりプレオーダーや予約購入の形で事業を支えて下さったお客さんからも「突然値下げになったのを見て悲しかった」というご意見がメールで何通も寄せられたり(プレオーダーのご予約メールに付記されるなど)、ゲーマーの会話で「シックス・アングルズは値下げになるまで待とう(買うのを控えよう)」という声を聞いたことがあり、セールス全体としては決して良い決断ではなかったかもしれない、と思い始めています。

実際のところ、半額にしても動かない商品というのは、要するに「部数を作りすぎた」ということであり、今後はなるべく印刷部数を絞りつつ、安売りはしない方針でやっていこうと思います。いかにも素人臭いバタバタした方針転換で、特に小売店の皆様には多大なご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありません。なお、既に半額となっている製品については、今後もそのまま半額での販売を継続します。

【2】 小型ゲームの発行について

現在進めておりますシックス・アングルズの出版事業と平行して、あまり部数が望めないミニゲームを、DTPゲームの形式で発行することを検討中です。単価が安い上、生産部数が少ないミニゲームの場合、打ち抜き駒などは採算がとれないため、一番コストとリスクを低く抑えられる、多品種少量生産の形で、過去に自分がデザインしたゲームを出そうと思いました。

第一弾として考えているのは、『タクテクス』誌のゲームコンテスト入選作として同誌の第65号に掲載された『バルバロッサの場合』と、シックス・アングルズ第7号付録の『ゼーロフ&キュストリン』の2作です。この後、『キエフ攻防戦』(タクテクス誌第75号付録)、『フォン・マンシュタイン』(SSシリーズ「ハリコフ攻防戦」の原盤、地図はA3サイズ)、『いちばん長い日』(シックス・アングルズ別冊『激闘ノルマンディ』におまけで付けたオリジナルの上陸作戦ミニゲーム)などを考えており、また新たに新作としてマイナーテーマのゲームを作ることも検討中です。

コンポーネントの体裁は、ルールは表裏の両面コピー(モノクロ)、マップはA3サイズのカラーコピーまたはカラープリンタによる出力、ユニットはラベル用紙にインクジェットプリンタで印刷、表紙は少し分厚い写真用紙にプリンタで印刷、それにジップロックの袋という形で、価格は本体1800円くらいを想定しています。

ただ、実際のところ、日本のシミュレーション・ゲーマーの間でのDTPゲームの売れ行きというのは、よくわからない部分もあります。いつもお世話になっている小売店様にご意見をうかがってみたところ、「ユニットが打ち抜きであるかないかによって、米国産DTPゲームの日本での売れ行きが大きく違う」というご指摘が複数あり、「それだったらミニゲームを複数個セットにして、今までと同様に打ち抜き駒付きで出す方がよいのではないか」とのご提案もいただきました。確かに、それも一案である気がします。

このミニゲームの出版形式については、もう少し検討してから、具体的な計画を立てたいと思います。本ブログでも、ご意見を募集しますので、よろしければ皆さんのご要望もお聞かせください。よろしくお願いします。

preorder02s.JPG


【追記】

シックス・アングルズ第13号『ツィタデレ: クルスクの決戦』の残り在庫部数が、20冊となりました。また、別冊第4号『砂漠のキツネ』の残り在庫部数も、あと55冊となっております。どちらも増刷の予定はありませんので、購入をご検討されている方は、お早めにどうぞ。

zitadelle_cover01.jpg


desertfoxcover.jpg

nice!(0)  コメント(9) 

2011年7月28日 [その他(ウォーゲーム関係)]

仕事2つが完了したので、昨日は久しぶりに京都へ出かけてきました。今日はその話題を少し。

kyoto01.JPG

京都行きの目的の一つは、京都市美術館で開催されている『フェルメールからのラブレター』という展覧会を観ること。フェルメールおよび17世紀のオランダ絵画好きとしては、見逃せない催しでしたが、当時最新のコミュニケーション手段としての「手紙」に着目し、親子や恋人、先生と生徒などの人間関係を主題にした作品が多く集められていたのが印象的でした。

kyoto11.jpg

(画像は公式ホームページより)

ちなみに、私の今回のベストはフェルメールではなくヤン・ステーンの「生徒にお仕置きをする教師」。狭い空間に先生と生徒たちが密集した構図ですが、絵の中心にある先生と生徒の「右手」の関係性が絶妙だと思いました。じっと観ていても全然飽きません。そして、視線をあちこち巡らせても、最後はいつもこの「先生と生徒の右手」に行き着きます。

kyoto02.JPG

これを見終わった後、道路を挟んで反対側に立つ京都国立近代美術館で開催中の『視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション』という展覧会を鑑賞。

kyoto12.jpg

(画像は公式ホームページより)

日本ではさほど知名度が高くない作家さんですが、第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期に活躍した人で、絵画や写真、彫刻(自作の構造物)、映画、出版物の装丁やグラフィックデザイン、舞台美術など、幅広い領域で作品を残しています。

写真や絵画も良かったですが、一番面白いと思ったのは、「ライト・スペース・モデュレータ」という装置に光を当てて撮影した映像作品と、その装置のレプリカの展示。30分おきに実際に「動作」させてくれるのですが、何とも言えないクールな「おかしみ」があって、何度も装置と映像を見比べてしまいました。

その映像作品が無いか、と思ってYouTubeを探してみたら、ありました。小さい画面だとインパクトが弱いかもしれませんが、会場では壁一面に投影されていて、光と影のシャワーを浴びているようでした。フルスクリーンにして、少し画面から離れて観るのがお勧めです。



こちらは装置レプリカの作動風景。


その後、バスで烏丸五条に移動し、クロノノーツ・ゲームの渡辺裕之さんとお会いして、スペイン料理の店で夕食をご一緒しました。現役のシミュレーション・ゲーマーなら、クロノノーツさんの名前を知らない人はいないかと思いますが、実はシックス・アングルズの創刊(1994年)以来もう17年もお世話になっているにもかかわらず、じかにお会いするのは今回が初めてでした。

美味しいシーフード主体のスペイン料理と白ワインを味わいつつ、話題はゲームを始めたきっかけや現在の(ゲームに関わる)仕事を始めるに至った経緯、業界内でのそれぞれの経験や苦労話など多岐に渡り、あっという間に時間が過ぎてしまいました。今後も、日本の(紙製)シミュレーション・ゲーム界を供給サイドから支える重要な役割を担っていただけたら、と思います。

kyoto03.JPG

帰りの電車の中で、渡辺さんから直接購入したGMT社の機関誌『C3i』最新号(第25号)を読みました。『ラビリンス』関連の記事(ディヴェロッパーズ・ノートと、このゲームを「現代史の教材」として活用する可能性について)がお目当てでしたが、それ以外にもチャールズ・S・ロバーツ氏の追悼記事や、マーク・ハーマン氏によるカード・ドリブン・システムの分析記事、そして厚紙打ち抜き駒と厚紙製カラーマップが用意された付録ミニゲーム『モスクワ攻防戦』(フランク・チャドウィックがデザインし、大昔にGDW社から無料配布されたものの復刻版)などが入っていて、大変お買い得な印象を受けました。興味のある方は、在庫が無くならないうちにどうぞ。

kyoto04.JPG

nice!(0)  コメント(4) 

2011年7月22日 [その他(ウォーゲーム関係)]

今週は、KKベストセラーズさんの『歴史人』次号用の地図制作と、学研さんの『歴史群像』次号用の原稿「アフガニスタン紛争 2001〜(前編)」の執筆を並行して進めています。この2つの仕事が完了するまでは、ゲームのプレイもお預け状態ですが、前者の地図についてのある「アイデア」を担当編集者さんに提案した時、「それはゲーム的な視点ですね」と感想を述べられ、面白いということで採用していただきました。

この「アイデア」については、前回も書きました通り、雑誌の発売日までのお楽しみということにしますが、歴史シミュレーション・ゲームをプレイする人なら「ごく普通のこと」と思っている概念や手法、物事の見方が、実は一般の人から見て「新鮮」であるということも、もしかしたらあるかもしれません。

ということで、最近ツイッターの方で、自分がなぜ歴史シミュレーション・ゲームをずっと趣味として愛好しているのか、その理由について改めて考え、その結論をいくつか書いてみました。下は、その一連の発言を採録したもの(カッコ内の数字は発言の順番)ですが、一部は知人のゲーマーからのコメントへの返答になっています。

twitop.jpg

7月17日(1) mas__yamazaki 山崎 雅弘    私が歴史シミュレーションゲームを愛好する主な理由。1)プレイや分析により、題材となっているテーマについて新たな視点や認識を得られる。2)相互に全力で目標を目指すことによる友人とのコミュニケーション(プレイ中の会話も含む)。3)複雑な概念や複数の要素が影響を与え合う状況を(つづく)

7月17日(2) mas__yamazaki 山崎 雅弘    (つづき)シンプルな部品の組み合わせによる動作確認モデルのような手法(ブラックボックスでないゲームシステム)に落とし込む、制作スタッフの知的工夫(非常に手の込んだ「たとえ話」)を知る喜び。ゲームに勝つか負けるかという要素は、私の場合、少なくともトップ3には入っていない。

一般的には、新しいゲームを買うと、ゲームシステムをまず覚えて、その上で「どうやってそのゲームで対戦相手に勝つか」という研究をされる方が多数派だろうと思います。ゲーム雑誌に掲載される記事の大半が、そうした方向性であることは、それが読者のニーズとして一番高いことを証明していると言えます。

ただ、それはそれで良いのですが、歴史シミュレーション・ゲームというホビーには「それ以外の楽しみ方」も確かにある、ということを、このホビーを愛好する一人として、探求し続けたいとも考えてきました。雑誌『シックス・アングルズ』に連載している「第6の視角」も、そんな探求の試みの一つです。

途中で多少のブランクを挟みつつ、もう30年もこのホビーと付き合っている私でも、まだまだ「底」が見えたという気になれず、新たな斜面を降りた先でなお、暗い深淵の奥底を覗き込んでいるような気分になることも多々あります。今は、私個人がまだよくわかっていない、カードドリブンというシステムの持つ「現実の一側面を表現する手法として可能性」について、自分なりに深く分析したいという欲求が、心の中で湧いているところです。

7月17日(3) mas__yamazaki 山崎 雅弘    歴史シミュレーションゲームの魅力は、複雑な多面体であり、全てを理解できている人はまずいないのではないか、と思う(私自身を含めて)。それなりに名の知れた業界人であっても、それぞれ重複しない形で、全体のおそらく6〜7割程度しか理解できていないような気がする(もちろん私見です)。

7月17日(4) mas__yamazaki 山崎 雅弘    ある趣味を構成する全ての要素を理解できないことは、別に恥ずかしいことではない。しかし自分がある趣味の全ての要素を知っていると早合点して、知らない領域が最初から存在しないかのように断定して何かを語る行為は、見ていて恥ずかしいし、周囲にいる人にとって迷惑である場合もあるように思える。

過去にこのブログでも触れたことがありますが(しかし敢えてリンクは張りません)、歴史シミュレーション・ゲームの楽しみ方について、自分の愛好するのと異なるスタイルを「間違っている」と断定してしまうのは、周囲との摩擦を生じるだけでなく、目の前にあるゲームの持つ「価値」の一部を捨ててしまうことも意味し、非常にもったいないことである気がします。

7月17日(5) mas__yamazaki 山崎 雅弘    今までとは違う「切り口」を、その趣味を始めたばかりの人から示唆されて「そういう見方があるのか」と発見するのも魅力だと思います。最初から自分の知っている範囲で全部という「壁」を作ってしまうと、新たな発見もないし、むしろ発見そのものを否定する思考になってしまう。@takeo5150

7月17日(6) mas__yamazaki 山崎 雅弘    この趣味における「主流派」的集団は、時代と共に変化してきたと思いますが、とりあえず誰もが「自分が知っている、理解しているのは全体の6〜7割程度」と意識していれば、残りの3〜4割を尊重する気になれ、少数派がストレスや負い目を感じるような空気は減らせるかな、と。@takeo5150

これらを書いた後、自分がゲームをプレイ中に「勝利を目指す」ことの意味について、あれこれと考えを巡らせ、自分の経験を踏まえた「とりあえずの答え」を導き出してみました。

7月18日(7) mas__yamazaki 山崎 雅弘    「相互に全力で目標を目指すことによる友人とのコミュニケーション」と「勝敗にこだわる(勝つことを目的とする)」の違いが何か、私なりに考えてみた。プレイ中の相手の判断ミスやケアレスミスのうち、自分が相手がとるであろう行動として想定していた範囲ならば、やり直しを認めること。知らんけど。

7月18日(8) mas__yamazaki 山崎 雅弘    石田さんとプレイする時、相手移動フェイズの終わり頃になると「こいつら、このままだと補給切れになるよ」とか「こいつ、包囲できるけど」など、お互いに相手の判断ミスやケアレスミスを補正することが結構ある。こういう遊び方を好まない人もいると思うが、我々の場合、この方式が一番楽しめる。

一つ補足しておきますと、例えばユニットが移動を終了する地域とか、戦線全体での兵力配分、攻勢重点の方向、特定の場所を攻撃するか否か、といった「指揮官の決断」については、(当然のことながら)一切口出しせず、相手の裁量を黙って見守ります。コメントで確認するのは、あくまで「相手がうっかり(本題と違うところで)見落としているかもしれないこと」だけです。

ところで、この書き込みとほぼ同じ時期、歴史シミュレーション・ゲームのポータルサイト「A Home Of Game Apes」の主宰さんが、次のような書き込みをされていたので、自分の「実感」とも共通すると感じ、リツイートさせていただきました。

7月17日 gameape   mas__yamazakiがリツイート    ウォーゲームの供給や価格が安定したり、プレイヤーが増えたり、関連メディアの種類が増えたりすることでプレイイングの充実に直接繋がるとは限らない、というのが1980年代前半に何となく得た僕の実感(つづく)

私にとっての「プレイイングの充実」とは、対戦相手と満足できるプレイが出来た時である場合もあれば、ルールを読んで「これは面白い発想だ」と感心した時である場合もあるし、システム研究のために一人で地図上の駒を動かしているうちに、題材となっている戦いについての「新しい視点」ないしそのヒントを見つけた時である場合もあります。

そして、今回の記事冒頭で述べたように、私がこのホビーを嗜む中で自然と身につけた「感覚」が、ゲームとは直接関係の無い仕事において、意外な形で役に立ち、それが多くの読者に喜ばれる(かどうかは雑誌の発売日にならないとわかりませんが)のであれば、私が進むべき方向性というのは「そういう(自分のゲーム経験をある意味で社会に役立てられる)機会をより増やす」ことであるように思います。

しかし、こうした経験は、非常に個人的な範囲で起こる出来事であり、このホビーを愛好する人の数が今の2倍や3倍に増えたからといって、機会が大きく向上するものではありません。このホビーの内側では、現在の愛好者の数が「望ましいレベル」よりも減っているとの前提(その根拠は判然としません)に立ち、「プレイヤー数の減少」という問題が、あたかもこのホビーの将来を左右する重大事であるかのように語る意見をたまに見かけますが、私はこうした見方には懐疑的です。

そもそも、日本の人口がほとんど変わっていない中で、新たな魅力あるホビーが最新のテクノロジーを伴って日々出現しているわけですから、従来のホビーを愛好する人の数が減るのは、ごく自然な成り行きです。ただし、歴史シミュレーション・ゲームを愛好する人の現在の数が、本来あるべき「望ましいレベル」より少ないかと言えば、私はそのようには思っていません。

むしろ逆に、私がこの30年間歴史シミュレーション・ゲームを趣味としてきた中で、出版・流通しているゲームの数と種類、アクティブなプレイヤーの数と種類、そして同好の士が中身の濃い情報交換を行える場の数と種類という面で、今がいちばんバランスが取れている「望ましい環境」であるような気すらしています。以前の記事でも書きましたが、私はいわゆる「ブーム」の時代がこのホビーにとっての理想的環境だったとは全く思っておらず、あの時期にはあの時期で、いろいろな問題(商業主義による粗製濫造など)を抱えていたがゆえに、ホビーとしての「冬の時代」を一時的に迎えることになったと考えています。

ご存知の方も多いかと思いますが、少し前に提示されたビジネスモデルの一つとして「ロングテール」という概念があります。これは、大まかに言えば、いわゆる「ブーム」あるいは「発売直後の売れ時期」が終わった後でも、少数ながら熱心な購買者がネット等を通じて長くそのカテゴリーの商品を買い支えるのであれば、ビジネスとしては充分成立する、というもので、私は歴史シミュレーション・ゲームも、このスタイルに合致しているホビーの一つであるように理解しています(ただし、シックス・アングルズ製品の在庫状況については、今は個人事業の限界という物理的理由から、この「ロングテール」の効果を最大限に活かせる形にはできていないのですが)。

歴史シミュレーション・ゲームというホビーに、この「ロングテール」の概念を適用するために、何が必要かと言えば、このホビーをもともと楽しんでいた人が、さらに深く濃く魅力を味わえるような、魅力の探求であるような気がします。メーカー側の商業的な視点からの工夫で、愛好者の人数を増やすことも大切だと思いますが、その増加が一過性のものに終わるかどうかは、ひとえにそのホビーそのものが「深い魅力」を備えているか否かで左右されるように思えます。

人間がやがて死を迎えるのと同様、個々のホビーもまた永遠ではあり得ず、衰退そのものは自然の成り行きとして受け入れるべきだと私は思います。ただし、これは俗に言う「滅びの美学」というような、衰退そのものに美を見いだす発想ではなく、限られた「生の時間」をより充実したものにする努力を惜しまない、という、ポジティブな文脈において、そのように考えます。

人間もこのホビーも、やがて終わりを迎えるのであれば、精一杯「深く濃く」その魅力を味わっていきたい。その道のりには「正解」も「終わり」もありませんが、その「正解も終わりもない」というところが、ゲームの題材である「歴史」の研究と同様、最大の魅力であると、私は強く感じています。
nice!(0)  コメント(4) 
前の10件 | - その他(ウォーゲーム関係) ブログトップ