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2014年12月28日 [その他(雑感・私生活など)]

2014年も、あと数日で終わりとなりましたが、告知をいくつか。まず、12月19日付の『東京新聞』夕刊に、先の衆議院議員選挙の結果についての私の原稿が掲載されました。前回の記事でご紹介しました「ポリタス」の記事の続編的な内容です。

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ポリタス」に掲載していただいた記事は、予想外に反響が大きくて、政治分析に関連する仕事の依頼もいくつかいただきました。来年、具体化したものから順に発表していくことになるかと思います。

次に、六角堂出版の電子書籍を2冊、刊行しました。「戦史ノート」シリーズ第53巻『デミヤンスク包囲戦』と、第54巻『エチオピア戦争』です。

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『デミヤンスク包囲戦』(Amazon)


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『エチオピア戦争』(Amazon)


デミヤンスク包囲戦』は、12月26日の昼頃に確認したら、アマゾンKindle版電子書籍の「軍事」カテゴリで1位になっていました。

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来年の予定は、第55巻『国民党対共産党(近代中国)』、第56巻『アイルランド紛争史』、第57巻『春の目覚め作戦(1945)』、第58巻『ユーゴスラビア紛争史』、第59巻『虐殺者アイヒマンを追え』、第60巻『タイと太平洋戦争』などが待機中です。バルカン戦争と第一次大戦ものが、これに続きます。

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さて、今年は仕事でも私生活でもいろいろと収穫の多い一年でした。ざっと振り返って一番印象に残っているのは、やはり4月に行った「欧州ドライブ旅行」でした。ドイツのデュッセルドルフを出発して、ゴール地点のシャルル・ド・ゴール国際空港(パリ)まで、レンタカーの日産ジュークと共に、16日間で約3400kmを走破しました。

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上の地図は、今回のドライブルートを記したものですが、主な訪問先をリストにしてみると、以下のようになります。

(ドイツ)
友人のウリ・ブレネマン氏の自宅

(ベルギー)
エベン・エマエル要塞、アントワープ、ブルージュ

(オランダ)
マーストリヒト、アイントホーフェン、ソン、フェーヘル、フラーフェ、ナイメーヘン、アーネム(アルンヘム)、オーステルベーク、ユトレヒト、デルフト、デンハーグ

(イギリス)
ドーバー(カレーからフェリーで渡航)

(フランス)
ダンケルク、カレー、ブーローニュ、アラス、サン・リキエ、アブヴィル、ディエップ、ヴィムーティエ、ヴィレル・ボカージュ、ガヴレイ、サン・ロー、サント・メール・エグリーズ、ユタ海岸、オマハ海岸、スウォード海岸、ジュノー海岸、ゴールド海岸、ベヌーヴィル(ペガサス橋)、カンカル、モン・サン・ミッシェル、ルーアン、ヴェルサイユ、パリ、オーヴェル・シュル・オワーズ

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途中、大聖堂などを見学するために立ち寄ったルーアンでうっかり違法駐車をしてしまい、パスポートや各種通信機器を積んだまま車をルーアン警察のトラックに持って行かれるという危機にも遭遇しましたが、交通事故や車の故障、体調不良などはなく、予定していた場所にはすべて行けました。全体的に天候にも恵まれて、良い写真がたくさん撮れました(『歴史群像』誌第126号のディエップ上陸関連の写真や、次号のマーケット・ガーデン作戦関連の写真もこの旅行中に現地で撮ったものです)。

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こういう旅行は、一生のうちで数えるほどしかできない貴重な経験だったと思いますが、毎日延々と自走したことで西欧諸国に今まで以上に親しみが湧き、また行ってみたいという思いが強くなりました。特に、フランスを訪れたのは今回が初めてでしたが、フランス語は挨拶などわずかしか話せなかったにもかかわらず、どこへ行ってもフレンドリーに応対してくれる人ばかりで、食べ物も美味しかったので、好きな国の上位にいきなり躍り出ました。

その他の写真

来年も、好奇心と行動力を失わず、いろんなことに挑戦していくつもりです。今年お世話になった皆様、私の仕事を認めて下さった皆様、どうもありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

 
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2014年12月11日 [その他(雑感・私生活など)]

久々の更新になりますが、今日は政治的な話題です。

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(今年の3月11日に撮影した国会議事堂)


次の日曜日、衆議院の総選挙が行われますが、津田大介さん(有限会社ネオローグ)が運営されている「ポリタス」という政治問題に関する言論サイトの『総選挙2014』特集に、私の書いた原稿も掲載されました。

首相が「どの論点を避けているか」にも目を向けてみる(山崎雅弘)

将来、歴史的な転換点または里程標であったと評されるかもしれない、きわめて重要な国政選挙について、選挙前に影響力の大きな媒体で意見表明をする機会をいただけたのは、本当にありがたいことだと思い、自分がこれまで戦史や紛争史の研究で得た様々な現実認識や古今東西の先例を参考にしながら、今まで考えてきたこと、日々感じていることを書きました。

この選挙の結果次第では、日本のさまざまな政治状況が大きく変わることになるかもしれません。特に、歴史的な重要度で最も大きいと思われるのは、憲法を改正する方向に大きく踏み出す展開になる可能性です。現在の日本国憲法には、安全保障面を含め、修整すべき瑕疵がいろいろあるとは思いますが、与党の提示する改憲案は、既に多くの人が指摘されているように「憲法が政府を縛る」のではなく「政府が国民の生活や行動を規定する」形式になっています。

そんな、立憲政治の否定にも繋がる「憲法に似せた、政府による国民支配の法制度」への切り替えを、国民が是認するかどうかという問題も、実は今回の選挙で問われています。表向き、与党はそれを明確な形で「問うて」はいませんが、選挙に勝利すれば「わが党が掲げる諸政策への信任を得た」という形式が得られることになり、遠慮無く改憲への実務手続きを進めていくことになるでしょう。

私自身は、この40数年、この国に生まれ育って面白おかしく生きてこられたと考えていますが、それは瑕疵があれど戦後の憲法が、同時代の他国という「横軸」や日本史の過去との比較という「縦軸」で捉えた場合、相当に「優れていた」からだと理解しています。別の時代の日本や、別の国に生まれていたなら、私が現在感じているような人生への「満足感」や「充実感」が得られたどうか。

もし今回の選挙の結果、憲法改正の方向へと社会の様々な部分が「目に見える形では命令も強制もされていないのに」あたかも笛が吹かれたように同じ方向へと整然と動き出し、最終的に現在の憲法が別のものと入れ替わることになれば、今はまだ選挙権のない世代や、まだ生まれていない世代の日本人を、今を生きる日本人は、日本国憲法とは違う「体制」の日本へと導いたことになります。

激動の昭和を生き延びて国を復興と繁栄に導いた後に亡くなった多くの日本人、戦争やそれに付随する様々な理由で命を落とした多くの日本人も、今回の総選挙の行方を見守っていると思います。

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2014年7月30日 [その他(雑感・私生活など)]

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先週金曜日(7月25日)から昨日(29日)までの5日間、東京へ出張で行ってきました。今までは、過ごしやすい気候の4月前後と10月前後に行くことが多く、真夏の東京(および横浜)はかなり久しぶりの経験でした。特に金曜の夜は想像以上に蒸し暑くて、午後10時前に池袋駅からホテルへ帰る時には、出口を間違えて予定より長い距離を歩いたこともあって「ここは東南アジアか」と思うほど大汗をかき、Tシャツもパンツも汗だくになりました。上は、三菱一号館美術館の裏にある中庭。

今回もメインの用事は本やゲームの出版社さんとの仕事の打ち合わせで、初日から最終日まであちこちの会社にお邪魔して、現在進めている企画や今から始める企画などについての細かな確認作業を行いました。また、昼食や夕食の席では、ふだん地元ではする相手のいない「諸々の仕事周辺(仕事に関連する時事的・社会的問題も含む)に関する掘り下げた話」で盛り上がり、新たな視点や側面の発見がたくさんあって有益な時間でした。あと、以前から面識のある友人との再会に加えて、新たに面識を得た人とたくさんお会いできたのも嬉しい展開でした。

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日曜日(27日)には、横浜でYSGA(横浜シミュレーション・ゲーム協会)さんの例会にお邪魔して、以前から興味のあったボードゲーム『ア・ディスタント・プレイン(A Distant Plain)』(GMT社)を友人と一緒にプレイすることができました。テーマは、現代のアフガニスタンにおける事実上の内戦で、4人のプレイヤーがアフガニスタン政府(カルザイ政権と国軍、警察)、アメリカ主体の多国籍軍、ケシ栽培や通行税などで資金を稼ぎながら地方を支配する軍閥、そしてパキスタンの後押しを受けてアフガニスタンの支配権奪回を目指すタリバンの役割を演じ、それぞれ異なる「勝利条件」を目指しながら、ある時には他の陣営と敵対し、別の局面では他の陣営と協力する、という、非常によくできた「シミュレーション・ゲーム」です。ゲームのシステムは、以前の記事で紹介した『アンデスの深淵(Andean Abyss)』と共通する部分がいくつもあります(デザイナーも同じ)。

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今回は、私はタリバン陣営を担当し、南東部のパシュトゥン人地域を中心に拠点を拡大、首都カブールにも何度か攻勢をかけました。タリバンの敵は、まず多国籍軍、次にアフガン国軍と警察ですが、後者の国軍と警察は「浸透」によって人員の一部をタリバンに寝返らせることができるので、完全な「敵」というわけでもありません。ゲームを作ったデザイナーの一人は、米国CIAの対テロ担当部局にいる(または「いた」)人で、以前の記事で紹介した米国とイスラム過激派(アルカーイダ等)の地球規模での戦いを描いた2人用ボードゲーム『ラビリンス(Labyrinth)』(GMT社)の作者でもあります。それゆえ、米国サイドの「負の側面」(例えば、ホワイトハウスとハリバートンなどの軍需関連企業の癒着など)は、ゲームには含まれていませんが、現代のアフガニスタン紛争についての新たな視点や側面を示唆してくれる、ある意味では「教育的」と言えるボードゲームだと感じました。


上京時にはすっかり恒例となっている美術館巡りも、なかなかに充実したコースで楽しんできました。土曜日に、渋谷のBunkamuraで開催していた(現在は閉幕)『デュフィ展』を観て、月曜は国立新美術館の『オルセー美術館展 印象派の誕生』、火曜日は三菱一号館美術館で『ヴァロットン展』を鑑賞しました。4月のパリ滞在時には、時間がなくてオルセーへは行けなかったので、向こうから来てくれると知った時には嬉しくて「絶対行こう」と思っていました。有名なマネ作の笛吹童子の絵(等身大で想像より大きい作品だった)をはじめ、印象派を中心に名作・傑作が数多く展示されていることもあり、午前10時の開館直後からかなりの人出でしたが、たっぷり「二度見」(出口に差し掛かったところで入口付近に戻り、特に印象に残った作品をもう一度観て回る)して大満足でした(解説がわかりやすかったので図録も買いました)。

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デュフィ展
(画像は公式サイトより)

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オルセー美術館展 印象派の誕生
(画像は公式サイトより)

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ヴァロットン展
(画像は公式サイトより)

デュフィ展』と『ヴァロットン展』も、実はオルセー美術館(やパリ)と内容的に繋がりのある展示で、パリの風景やフランスの田舎の風景をさまざまな技法と色彩で描いた作品を観ていると、4月の旅行中に車を運転しながら観た景色が生々しく蘇ってくるような感じでした。印象派の絵画は、絵の具とキャンバスという静止画の技法を使った「動画の表現」ではないかと思っていますが(以前の記事でも書きましたが、ある距離まで離れて観れば、絵の中の光がゆらゆらと揺らいで見えます)、実際にフランス各地を旅行した後で個々の作品を観ると、絵の向こう側にあるフランスの文化や美意識をより深く味わえる気がします。


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それから、美術展とはちょっと違いますが、待ち合わせの都合で空いた時間にぶらぶら散歩のつもりで入った(30度オーバーでは都心部での屋外散歩は危険だと判断しました)京王百貨店の上で開催されていた「ドールハウス展」も面白かったです(現在は閉幕)。ドールハウスと聞くと、人形を飾るための小さな家という漠然としたイメージを持っていましたが、ここに展示されていたのは、いわゆる「ジオラマ」とも呼べるような精巧なミニチュアの情景で、日本や海外のお店や民家の室内をリアルに再現した仕上がりに目を奪われ、作品に引き込まれました。特に印象に残ったのは、京都の漬け物屋の店先を精密に再現した「ドールハウス」で、写真撮影禁止という規制のため「目に焼き付ける」しかないのが残念なほどの完成度でした。もし、同種の展示会がどこかで開催されていたなら、ミニチュアやジオラマ好きの人は、一度ご覧になることをお奨めします。


東京滞在中にお会いした、学研パブリッシングの新井邦弘さん・池内宏昭さん・星川武さん・坂田邦雄さん・寺澤郁さん・小林直樹さん・河村啓之さん・治田武士さん・沼田和人さん、ベストセラーズ『歴史人』編集部の高橋伸幸さん・森順子さん・真野裕之さん・花岡武彦さん・山崎智子さん・藤原智幸さん・濱下かな子さん・金井正人さん・岩瀬佳弘さん、潮書房光人社の藤井利郎さん・小野塚康弘さん、アークライトの福本皇祐さん・吉澤淳郎さん・飯島智秀さん・刈谷圭司さん、高文研の真鍋かおるさん、戦史研究家の廣田厚司さん、郵便学者の内藤陽介さん、ブログを何度かご紹介している永田町某所勤務のケン先生と同ブログのフォロワーの皆さん、横浜のYSGA例会で『ア・ディスタント・プレイン』を一緒にプレイしてくださったN村さん、堀場わたるさん、松谷健三さん、どうもありがとうございました。猛暑の5日間でしたが、会話やゲームプレイを通じて、エネルギーやモチベーション、アイデアなどをたっぷり充電できました。


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都電荒川線の車内。最終日の午後に東京駅から大塚駅へ移動する途中、少し時間に余裕があったので、王子駅で降りて飛鳥山の林道を少し散歩したあと、このかわいい電車に乗って大塚へ向かいました。飛鳥山はセミの鳴き声がすごかった。
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2014年3月15日 [その他(雑感・私生活など)]

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今週は月曜から水曜まで、二泊三日で東京出張に出かけてきました。今日はその話です。

昨年はいろいろあって一度も上京しないまま終わりましたが、執筆の仕事や主題研究などに関連する「深く掘り下げる話」ができる相手は、事実上東京に行かないといないので、今回もいろんな人と会食して様々な刺激を受けたり、新しい展開の道を示唆していただいたりしてきました。本当はもっと多くの人と会いたかったのですが、今月中に終わらせないといけない仕事がまだいくつも残っているので、水曜日に戻らねばならないのが本当に残念でした。

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出版関係では、学研さんや潮書房光人社さんの編集者さんと会食したり、現状進めている仕事の打ち合わせや今後の方向性の確認などを行いました。潮書房光人社さんからは、6月頃に一冊、文庫本を出版していただく予定です。本のタイトルは未定ですが、テーマは第二次世界大戦期の1943年7月に旧ソ連のクルスク周辺で繰り広げられた、いわゆる「クルスク大戦車戦」です。

クルスクに関連する書物は、日本でもいくつか出版されていますが、内容が既に古くなって「賞味期限」が過ぎていたり、内容がマニアックすぎて全体像を読み取りづらいものばかりであると思えたので、戦いに至る独ソ両軍の背景や戦略構想、ヒトラーの思考に影響を及ぼした政治的要素、両軍の参加部隊と戦車・航空機の解説、主な指揮官の横顔、そして最前線における実際の戦いの様相るまで、全体と細部の両方を手軽に見渡せるような内容の文庫本に仕上げようと思い、昨年末から取り組んできました。

原稿(400字詰原稿用紙換算で約600枚)は既に納品しており、現在は収録する地図(25点前後になる予定)と図版(戦車と航空機の側面イラスト)を制作しているところです。海外で2000年以降に出版された、クルスク戦に関する新しい文献も数多く参照して、戦史的に重要な意味を持つこの会戦についての新たな認識を、様々なレベルで読者の皆さんに提供できるのではないかと思います。関心のある方は、ぜひご期待ください。

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六本木ヒルズの屋上デッキから見た東京タワー。

また、会食の合間にはいつもと同様、美術館にも足を運んできました。今回観たのは、三菱一号館美術館の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」と、六本木の森アーツセンターギャラリーで開催している「ラファエル前派展」の二つです。私は同じ日の午前と午後に続けて観たのですが、この二つの展覧会は、実は作品の創作時期と作家が結構重なっていて(ウイリアム・モリスやバーン=ジョーンズ、ロセッティなどの作品は両方にある)、通しで観た後に全体を振り返ると、一方だけを観た場合よりも個々の作家に近づけるような気がしました。

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ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900
(画像は公式サイトより)


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ラファエル前派展
(画像は公式サイトより)

「唯美主義」も「ラフェエル前派兄弟団」も、同時代には強い拒絶反応があったようですが、十九世紀のイギリスに生きた創造力あふれる「若い作家」たちが、当時の英国美術界を支配していた「良しとされる形式や慣習の踏襲」に反発し、「もっと自由に創作させてくれよ」「自分が魅力的だと思ったように描きたいんだよ」という素直な気持ちが画面にストレートに表れている作品が多いように感じました。「前衛(アバンギャルド)」と呼ぶには、あまりにも素直で礼儀正しい姿勢だったように思います。

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今回の展覧会二つで一番長く見入ってしまった作品が、右の「マリアナ」(ジョン・エヴァレット・ミレイ作)。同じミレイの有名な「オフィーリア」も隣にあって甲乙つけがたい存在感でしたが、私は「マリアナ」の方が好きです。出窓の外の木々、ステンドグラス、青いビロードの洋服、モデルの少し疲れたポーズ、椅子の赤、ろうそくの灯り、そして右下を走るネズミまで、ずっと観ていても全然飽きません。というか、家に欲しい(笑)。残念ながらポスターは無いので、今回はポストカードで我慢しました。左の「釈放令、1746年」もミレイの作品。彼の絵からは「そこにある自然への深い敬意」が感じられます。

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ウイリアム・モリスについては、今から5年前の2009年3月に東京都美術館の「生活と芸術──アーツ・アンド・クラフツ展」で壁紙などを観て気に入り、その時にミュージアムショップで買ったウサギ模様のTシャツは、今でもお気に入りです(上の写真)。職人気質の律儀そうな作家さんですが、詩人や政治活動家(社会主義者)という横顔もあり、興味の尽きない人物です。

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マッカーサーがGHQの本拠を置いていた第一生命ビル。

今月の残りは、前記したクルスク文庫本の地図と図版制作に加えて、『歴史群像』誌と『コマンドマガジン』誌の原稿執筆、そして六角堂出版からの電子書籍の刊行や『シックス・アングルズ』第16号「ベルリン陥落 1945」の準備作業などを行います。電子書籍については、今週から出版活動を再開しましたが、それについては次回の記事で書く予定です。

お忙しい中、東京で私との会食や面会に時間をとって下さった皆様、ありがとうございました。

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2014年2月5日 [その他(雑感・私生活など)]

久々の更新です(すいません)。昨日、大阪で展覧会とライブコンサートを鑑賞してきました。今日はその話題です。

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(画像は公式ホームページより)

展覧会の方は、中之島の国立国際美術館で開催中の『アンドレアス・グルスキー展』。グルスキーは、現代美術の世界では超有名な作家で、作品が尋常でない高値で取引されることで知られていますが、なかなかオリジナルを目にする機会がなく、以前からずっと「本物を観てみたい」と思っていました。

この人の作品は、一見すると普通の写真に見えますが、実は非常に手の込んだ手法で「創り出された」風景や光景です。ある対象を写真機で撮影すると、どうしてもレンズという「点」から放射状に感知した色と光だけが映り込むことになりますが、この人はそうしたカメラの弱点を克服したというか、逆手に取ったというか、対象を複数の「点」から撮影した写真をいくつもつなぎ合わせて、普通の写真では再現できないけれども、現実に我々が目にしているものに近い「風景」や「光景」を創り出すことに成功しています。

その意味で、彼の作品は「現実」とも「虚構」とも明言できない、何か宙に浮いたような存在ですが、現代美術の知識が全然ない人でも「作品そのものと向き合って素直に楽しめる」という意味では、多くの人に紹介したいと思う作家さんです。会場で展示されている作品の多くは、縦2メートル、横5メートルといった巨大な「写真」ですが、ひとつひとつの作品をじっくり時間をかけて観ると、「全体」と「細部」の両方をたっぷり楽しめます。

多くの展覧会と同様、この会場でも展示作品のリストを入り口でくれるのですが、私はそれを見ず、オーディオガイドも借りず(今まで一度も借りたことがありません)、大きな作品の前に立つと、まず作品全体を見渡せる位置まで後ずさりし、それが何を撮影したものなのかを、クイズのように考えました。すぐわかるものもあれば、全然わからないものもあります。充分考えたら、その作品(のみ)の題名を確かめ、作品に近寄って、細部をよく観察しました。何枚もの写真をつなげて作品にしているので、普通にカメラで撮って大きく引き延ばした写真とは全く比べ物にならないほど、細部までいろんなもの(人の顔や動き、川に浮かんだゴミなど)が映り込んでいます。

横5メートルの作品で、細部を丁寧に確かめようとすると、自分が歩いて移動しながら、端から端まで舐めるように目線を走らせなくてはなりません。そして、縦の寸法も大きいので、1回の横移動では足りず、視線の高さをずらしながら、画面全体をスキャン(走査)するかのように、何度も左右に往復することになりますが、これをやっていると、自分が動いているせいで、なぜか静止画なのに動画を見ているような錯覚に陥るのがおもしろいです。

例えば「F1ピットストップ IV」という作品は、マシンを取り巻くピットクルーの動きを端から端まで目で追った後、作品に写っている二階部分に移動し、パドッククラブ(高額のパスを買うことで豪華な食事つきでピットの上からレースを観られる特等席)にいる一人一人の表情やポーズを順番に観ていると、全体が「わさわさと動いている」ように感じられるのが不思議です。「ツールド・フランス I」は縦長の作品なので、スキャンの回数は増えますが、下から上へと道路に沿って自転車やサポートカー、沿道で応援する人々の姿を順に観ていくと、なぜか笑いがこみ上げてくるのを抑えられませんでした。

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展覧会の図録。この小さいサイズで普通の印刷だったら、価値も半減以下なので買わなかったと思いますが、これは高精細で細部まで再現できる特殊な印刷なので買いました。しかしハードカバーで上等な紙を使っているので重い。国際美術館での「アンドレアス・グルスキー展」は、5月11日まで開催される模様です。


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(画像は公式ホームページより)

コンサートは、須藤元気さん率いる『ワールド・オーダー』の大阪公演初日です。最近はテレビ番組やCMにもよく出演されているので、ご存知の方も多いかと思いますが、ピシッとしたスーツ姿で繰り出される彼ら独特のダンスパフォーマンスに、私もずいぶん前からハマっています。


最初に彼らの存在を知ったのは、この動画でした。「マシン・シヴィライゼーション(機械文明)」。YouTubeで公開されたのは、3.11から一週間後の2011年3月18日。つまり「あの出来事」の直前に撮影されたもの。


こちらはメキシコで撮影された「2012」の動画。マヤの予言で「人類が滅ぶ」といわれていた2012年は無事に過ぎましたが、人類が直面する問題はまだまだ山積です。最後のシーンのロケ地は、メキシコシティ南部にある「レオン・トロツキーの家」。メキシコに亡命したトロツキーが、スターリンの刺客に暗殺されるまで過ごした邸宅の庭です。私も現地に行ったことがありますが、たくさんの緑に囲まれて居心地のいい場所でした。


これも好きな作品の一つ。「パーマネント・レヴォリューション」。韓国ロケがメインですが、冒頭の日本国内でのシーンも画面を注意深く見ると、画面の端に「おや?」というマークが映っていたりして、ニヤリとさせられます。韓国のアシアナ航空とのコラボバージョンもあります。


最新作「ラスト・ダンス(最後の踊り)」の動画。冒頭、後ろにあるビルは東京電力本社で、経済産業省、テント村、財務省、最高裁判所と続いた後、汐留某所が出てきた時には唸りました。葉っぱの陰に、何かの看板が隠れています。

彼らのライブを観たのは今回が初めてでしたが、予想よりはるかに大きな満足感を味わえました。上の動画で繰り返し観て知っているパフォーマンスでも、目の前で観ると全然インパクトが違います。「ファインド・ザ・ライト」の躍動感ある「歩きポーズ」をはじめ、文字通り「目が釘付け」になるシーンが何度もありました。また、当然ながらライブならではのパートも随所に織り込まれ、各メンバーのダンスソロは圧巻でした。

曲順を含め、まったく先が読めない構成になっていて、2時間弱のライブはあっという間に終わってしまいました。まだ観ていない人のために、構成などを詳しく書くのは控えますが、帰りの電車の中ではiPodで彼らの曲を聴きながら「テーマ的にもいろいろ伝わってくるものを感じた」という余韻に浸りました。

ちなみに、大阪公演は昨日と今日の2日ですが、行こうかどうしようかと迷っている人がおられたら、行かれることを強くお薦めします。その後、2月14日に札幌、2月18日と19日に名古屋、2月25日に福岡という日程となっているようです。

ちなみに、米国人ゲームデザイナーで戦史研究家でもあるジャック・グリーン氏に、ワールド・オーダーのYouTubeの動画をいくつか(フェイスブックで)紹介してあげたら、結構気に入られた様子で「いつ彼らは米国公演をするんだ?」と訊かれました。YouTubeのコメント欄を見ても、いろんな国の人が「すごい!」と書き込んでいて、彼らの人気は世界にも浸透しています。


今月は、諸々の執筆の仕事に集中し、それが終わったらアマゾンKindleの電子書籍シリーズの刊行を再開するのと共に、シックス・アングルズ第16号『ベルリン陥落 1945』の制作に取りかかります。箱入りのゲーム(内容は後日改めて告知します)についても、印刷所から見積もりが届いたところで、もしかしたら出版はこちらが先になるかもしれません。
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2013年12月30日 [その他(雑感・私生活など)]

2013年も今日を含めて2日となりました。告知を忘れていましたが、シックス・アングルズ別冊第10号『パンツァークリーク』は、12月25日より店頭発売となっております。

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今年は、この『パンツァークリーク』と別冊第9号『独ソ戦コレクション-2: 突撃レニングラード/突撃スターリングラード』をシックス・アングルズとして制作・出版したほか、雑誌『歴史群像』と『歴史人』の雑誌およびムックの仕事、マララ・ユスフザイさんの単行本『わたしはマララ』の編集協力、そして「六角堂出版」名義での電子書籍シリーズの個人刊行など、前半の6か月は昼間に家具工場で働いていたことを考えれば、それなりに充実した仕事の成果を残せたのではないかと思います。

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年号が2013年から2014年に変わっても、何か区切りがつくわけではなく、今手掛けているいくつかの仕事が次々と世に出る予定です。雑誌やムックの原稿に加えて、文庫本やシックス・アングルズの続刊、電子書籍事業の拡大、箱入りゲームの発売など、来年は今年以上に面白い展開になるかと思います。

今年1年、私の諸々の仕事をご愛顧いただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

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2013年12月1日 [その他(雑感・私生活など)]

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昨日、つまり11月の最後の日ですが、久しぶりに雲がない秋晴れの気候だったので、昼食に食べる予定だったごはんとおかずをタッパーに詰めて、青蓮寺湖と香落渓、曽爾高原へ出かけてきました。

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青蓮寺湖は、家から車で5分ほど走ったところにある湖で、けっこう景色が奇麗なので、お客さんがくると案内することも多いです。そして、この細長い湖から南(上の写真では奥)へと伸びる険しい渓谷が、香落渓(こおちだに)です。ところどころ、岩肌が丸見えになっている谷を観ながら南へと車を走らせると、青蓮寺湖から15分くらいで曽爾高原に着きます。

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香落渓を通過中に車を停めて撮った写真。今年は夏が長く、短い秋を素通りしていきなり冬へと突入したような気候だったため、もみじは紅葉になる前の黄色い状態で落葉してしまっています。

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曽爾高原は、奈良県が三重県に張り出した突出部(私は「宇陀バルジ」と呼んでいます)にある風光明媚な高原で、特に秋のすすきが有名です。時期と気候の関係で、すすきの見頃は過ぎていたようですが、見晴らしのいい場所からの眺めは「其の者、青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし」の「金色の野」そのまんまでした。ただし、日陰の部分にはうっすらと雪(!)が積もっていました。

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今日から12月ということで、2013年ものこりわずかです。年内は、シックス・アングルズ別冊第10号『パンツァークリーク』のプレオーダーと小売店向けの発送作業を除けば、ひたすら新しい文庫本の執筆に明け暮れる日々です。テーマや発売予定日は改めて告知しますが、今回も内容の充実した本に仕上げるよう、ベストを尽くします。

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2013年10月3日 [その他(雑感・私生活など)]

先週金曜日(9月27日)から昨日(10月2日)まで、台湾に出張で行ってきました。今日はその話題です。

今年の5月に行った時と同様、今回の台湾訪問でも台北の印刷所との打ち合わせとデータ入稿が重要な目的の一つでした。午後に到着した後、台湾の友人と合流してさっそく印刷所へ。SA別冊第10号『パンツァークリーク』のマップとユニット、表紙まわり、チャートのデータと印刷見本を手渡し、前回までの製品内容に関して直してほしい部分を細かく伝え、実務が終わったら世間話に花を咲かせましたが、先方もこちらの要望や好みをだいぶ理解してくれたようで、回を重ねるごとに確認事項が減ってきた印象です。あとは本誌を仕上げてデータで送るのみで、今回も内容の詰まった製品に仕上げるよう、今日から作業を再開しました。

土曜日と日曜日は、台湾の仲間と久々にゲーム三昧の週末。まず土曜(9月28日)には台北のゲームクラブ「戦棋団」にお邪魔して、GMT社の4人用ボードゲーム『アンデスの深淵(Andean Abyss)』をプレイしました。

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このゲームは同社のGMT社のCOIN(counter-insurgency)シリーズの一つで、デザイナーは以前の記事で紹介した『ラビリンス(Labyrinth)』と同じくヴォルコ・ルーンケ氏。COINの訳語はまだ定まっていませんが、要するに「対反政府勢力」のことで、政府とそれらの仁義なき戦いがテーマです。

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テーマは現代コロンビアにおける政治と経済の支配権をめぐる内戦で、これだけ聞くと大抵の人は関心が薄いと思いますが、「政府」「共産主義勢力」「反共右派勢力」「犯罪組織(麻薬カルテル)」による四つ巴の仁義なき戦い、と書けば、どういうゲームか想像できると思います。皆初めてのプレイで、やり方がよくわからず、事前に役割ごとの個別ルールを研究しようということになり、私は「麻薬カルテル陣営」を担当して、行きの空港と飛行機内でルールを学習しました。

私の担当した「カルテル陣営」は、まず「葉っぱ」各種を栽培して収穫を増やし、それを「商品」に変えて資金を蓄える。そして資金が潤沢になったところで、その金を使って政府(軍・警察官)を買収したり他勢力と「取引」したりして勢力圏の強化を図る。栽培好きの私にはピッタリの役柄です(笑)。

各陣営の勝利条件はそれぞれ異なっており、政府は政治・経済的に重要な都市や交通路などの治安確保が勝利への近道。カルテルは畑の数と蓄財。反共右派陣営が一番単純で、「国内にある自分の活動拠点の数が、ゲーム終了時に共産主義陣営よりも多ければ勝ち」、それ以外には関心が無いというわかりやすさ(笑)。

ちなみに、この時のプレイ風景等の写真を昨日フェイスブックで公開しましたが、さっそくGMT社のロジャー・マクゴワン氏が運営する同社のゲーム情報サイト「C3i Ops Center」で紹介されています。

Andean Abyss - Taipei, Taiwan - By Masahiro Yamazaki & Maraxus Ann

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日曜日(9月29日)は友人の夏兄とSA別冊第9号付録のひとつ『突撃スターリングラード(Assault on Stalingrad)』をプレイ。次号のコマンドに、このゲームの関連記事(デザイナーズ・ノート)が掲載されます。今回はソ連軍を担当しましたが、このゲームは『突レニ』とは異なりソ連軍も積極的に反撃できるので、兵力を温存しつつ敵の弱点を突いて市街への突入を邪魔する展開となります。

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その後、台北市内でまだ行っていなかった「国父記念館」などを見学。ここは辛亥革命の立役者・孫文にゆかりの物品などを展示した記念館で、小学校の団体見学でも定番コースとのこと。

月曜日(9月30日)は台北近郊の鶯歌(インガー)という陶芸で有名な町を観に行き、夜は台湾の歴史シミュレーションゲーム雑誌「戰棋」第8号の付録『新帝国主義(New Imperialism in China)』をデザインされた邵軒磊さんと会食。東大に留学された経験をお持ちの台湾師範大助教授で、専門は東アジア政治史とのこと。

英キングズカレッジのフィリップ・セイビン教授(同氏のデザインされたミニゲームのいくつかが米ヴィクトリー・ポイント・ゲームズから製品化されている)をはじめ、海外では軍事史や国際関係史の授業でボードゲームを活用する動きが結構盛んですが、邵(ショウ)さんも授業でのゲーム活用に前向きで、先日は訪台した立命館大学の交流学生と台湾の学生とのゲームセッションも行ったそうです。今後、一緒に何かやりたいですね、と意気投合し、中国現代史や日中戦争、最近の尖閣問題などについても意見を交換して盛り上がりました。

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『新帝国主義』の主題は、1900年(義和団の乱)から1911年(辛亥革命)の中国(及び東アジア)での列強(帝国)の権益獲得競争です。マップには、日露戦争の原因の一つとなった「東清鐵路」や「南滿鐵路」も描かれており、日露の衝突に至る過程や、ロシアと新疆、イギリスとチベットの関係も当事者感覚で理解できます。日露英仏蘭米と大清帝国の7人でプレイすることも、日英・露仏など同盟関係を反映して2〜6人でのプレイも可能です。

インドを支配するイギリスとインドシナを支配するフランスがシャムで衝突する局面や、フィリピンを拠点に中国へと食指を伸ばすアメリカ、という構図も描かれており、全方向から帝国の侵蝕を受けた中国人が「おまえら、ええかげんにせいよ!」とブチ切れた結果が、辛亥革命でありました、という教育的な(笑)ゲームです。ただ、邵さんによれば「一般の人に遊んでもらうには少々ルールが複雑すぎた」とのことで、ルール簡略化とマップエリアの仕切り直しを含めた第2版のデザインを構想中だそうです。

戰棋」第8号『新帝国主義』は、国際通信社の通販サイト「a-game」で購入できます。価格は2200円。

『戰棋』8号(季刊SG雑誌)

田村寛さんが翻訳された、このゲームの日本語ルールは、以下のサイトよりDL可能です(ただし無料登録が必要)。http://bit.ly/15KEdmk

BoardGameGeek / New Imperialism in China


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火曜日(10月1日)には、台北から飛行機で1時間ほどの場所にある、金門島というところへ行ってきました。戦史に詳しい方ならご存知のとおり、中国本土から目と鼻の先にあるこの小島は、過去に1949年と1958年の二回、中国人民解放軍の攻撃を受けた場所で、その古戦場探訪も今回の台湾旅行の目的の一つでした。上の写真は、金門島の尚義機場(空港)。

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金門島北西の古寧頭という場所にあるビーチ。高台に立って海岸を見下ろした時、一瞬ノルマンディのオマハビーチにタイムスリップしたのかと思いました。長い海岸線にびっしりと並んだ上陸障害物の存在は、中国との関係がだいぶ改善された現在もなお、この島が「最前線」であることを示しています。

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古寧頭から対岸の中国領(大嶝島)を望む。海峡の距離は5キロほどしかなく、中国軍の122ミリや152ミリの榴弾砲の射程内に島がほぼすっぽり入ってしまいます。

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古寧頭にある「古寧頭戦史館」。1949年10月に中国人民解放軍が上陸したものの、国民軍に撃退された戦いについての展示を行う記念館で、入口にはこの戦いで活躍した「金門の熊」とも呼ばれる米国製M5A1戦車などが展示されています。

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古寧頭のそばにある北山は、1958年8月に始まった中国人民解放軍の猛烈な砲撃(八二三砲戦)により甚大な損害を被った場所で、いくつかの建物は記念碑的な形で保存されています。上の建物は、1949年の市街戦による弾痕と1958年の砲撃による天井の破壊跡が戦いの苛烈さを物語っています。

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島の東にある「八二三砲戦」の博物館。斜め向かいには、台湾の国防相を務めた兪大維の記念館もあります。大きくはない島ですが、見所を効率よく回るにはやはりタクシーが不可欠です。ただ、路線バスは便数が少なく多少不便であるものの、値段が安い(1回12元=36円ほど)上、路線を「遠回り」する過程で予想もしなかった風景と出会えることも多いので、時間に余裕があるなら併用をお勧めします。

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金門島の特産品の一つ、金門菜刀(金門包丁)。中国軍がこの小さい島に撃ち込んだ砲弾の数は、八二三砲戦だけで47万発、古寧頭上陸作戦も含めれば100万発に及びますが、島の鍛冶屋はその砲弾を掘り出し、包丁の材料となる鋼材として再利用し、上質な包丁を作る事業を興しました。ただし、現在では火薬の詰まっていた「砲弾」ではなく中国側が投下した「ビラ散布用の宣伝弾の薬莢」が主な原料だそうです。現在では対岸の廈門から大勢の中国人観光客が金門を訪れますが、大陸の包丁よりもよく切れるというので買って帰る人も少なくないとか。

この金門島における二つの戦いは、かつて『歴史群像』誌第71号(2005年6月号)に掲載された「中台紛争史」で解説しましたが、現在は以下の電子書籍の形で読むことができます。

中国・台湾紛争史(Amazon キンドル版電子書籍)

ちなみに、金門島への便は台北市内の松山空港から発着していますが、日本が降伏した直後の1945年8月18日に、インド独立運動の指導者スバス・チャンドラ・ボースが飛行機事故で亡くなったのが、この空港の前身・松山飛行場でした。

今回の台湾紀行も内容の詰まった6日間でした。台湾でお世話になった皆様、ありがとうございました。

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古寧頭の入口にある門。
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2013年9月12日 [その他(雑感・私生活など)]

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昨日は久しぶりに仕事をオフにして、坂本(滋賀)と比叡山、京都に出かけてきました。上の写真は、比叡山から見たびわ湖の風景。中央左寄りにはびわ湖大橋も見えます。編集プロダクションの社員として旅行雑誌『まっぷるマガジン』の仕事をしていた頃は、何度も湖岸を回りましたが、ここ10年くらいはごぶさたです。

その『まっぷるマガジン』で、最初にやらせてもらった仕事が、1998年に出た「びわ湖へ出かけよう」という本の観光地図でした。これは大津から湖西、湖北、湖東まで、びわ湖をぐるっと一周カバーしたガイドブックで、地図の点数も多かったのですが、その中の「比叡山坂本」の地図を作る際、「鶴喜そば」というお店の名前の「喜」という文字が、漢数字の「七」を三つ重ねた「品文字(しなもじ)」になっていたのが、なぜか強く印象に残りました(下の画像は鶴喜そばの公式サイトより)。

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おそらく、Adobe Illustratorで「七」を三つ並べて自分で作字したからだろうと思いますが(本当は「七七七」ではなく「七十七」らしいですが)、どんなお店なのか、一度行ってみたいと思っていました。そして昨日、15年越しにその希望が叶うことになりました。

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創業290年、本店の建物は築130年とのことで、有形文化財にも指定されているとのこと。お昼にとろろそばをいただきましたが、歯ごたえもそばの香りもつゆの味も私好みで、とても満足できました。「たべログ」での評価は意外と厳しいようですが、私は機会があればまた食べに行きたいと思っています。京都からもすぐ行ける距離なので、何かの用事で京都に行った時には立ち寄るかもしれません。

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その後、日吉神社の参道をぶらぶら散歩した後、ケーブルカーで比叡山へ。東側のケーブルはわりと新しい車輌を使っていて、椅子もゆったりしています。

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比叡山の東塔エリアに立つ文殊楼。メイン施設の根本中堂は、残念ながら内部の撮影禁止。

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比叡山系。

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比叡山頂から大津方向を望む。この水瓶は、京都や大阪の飲み水の供給源でもあります。

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帰りは京都側へと降りる。まずローブウェー、次にケーブルカー。叡山ケーブルは標高差561mをわずか9分で一気に下る。ただ椅子のスペースはとても狭い。

八瀬でケーブルを降り、叡山電車で出町柳へ移動した後、いったん外に出て、eze bleu(エズ ブルー)というパン屋でフランス系パンを補給。カフェで少し休憩してから、京阪と地下鉄を乗り継いで、京都駅近くの待ち合わせ場所へ。

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京都では、クロノノーツ・ゲーム店主の渡辺さん、友人のぐちーずさんと呑み会でした。今回は「戦争と切手とウォーゲーム」というテーマで、各人が戦争にまつわる切手や絵葉書、貨幣などのコレクションを数点ずつ持ち寄り、それを肴に歴史や戦争、およびそれを題材としたシミュレーション・ゲームについて語り合うという趣向でした。こういう「テーマ付きの呑み会」は、話題の方向性が制限されるように見えて、実は意外な方向に展開したりして面白かったので、今後もまた企画したいと思います。

前回の京都旅行は、坂本龍馬ゆかりの地をめぐるというルートでしたが、今回の滋賀・比叡山・京都小旅行も、久々に気分をリフレッシュできた楽しい一日でした。SA第10号『パンツァークリーク』の制作もいよいよ大詰めですが、今日から気分一新でベストを尽くします。
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2013年6月30日 [その他(雑感・私生活など)]

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山椒の葉っぱの上にたたずむカマキリの子ども。

今日は仕事と生活の変化についての話題です。2012年12月11日の記事でも書きました通り、私は昨年10月末より平日の昼間は地元・名張の家具工場で働く生活を続けてきましたが、6月いっぱいで契約を終了し、明日の7月1日から再び、原稿執筆や地図制作、ゲーム開発などの仕事を家で行うフリーランスの在宅自営業に復帰することとなりました。

原稿執筆関係でどうしても断りたくない仕事の依頼がいくつか入ってきたこと(今年前半は、時間的制約のため、いくつか執筆の仕事を断ってしまいました)、シックス・アングルズ製品の売れ行きが上々であること、六角堂出版の電子書籍の売れ行きも予想より良好であること、母が入院・手術した関係でお見舞いや付き添いに行くための時間的余裕が必要になったことなど、個人事業主への復帰を決断した理由はいくつかありますが、昼間は工場で労働者として働き、帰宅後は日没まで庭で農産物の世話をし、夜はソ連赤軍に関する原稿を執筆するという「労農赤軍生活」も、それなりに楽しく有意義な経験でした。

12年間ずっと自宅で椅子に座って仕事をしてきた私が、毎日最低8時間立ちっぱなしの仕事を続けられるかどうか、最初は不安もありましたが、11月に風邪で38度の熱を出して1日休んだのと、今月母の入院と手術の付き添いで2日有給休暇をとった以外は、無遅刻無欠勤で8か月の任務を全うしました。体重は開始前と比べると9キロ減り、お腹周りを中心に贅肉がすっかり落ちて、去年のジーンズを履くとブカブカになった感じです。

勤務開始からの8か月で、改めてその有り難みを認識したのは、「時間的な行動の自由」と「健康」の2つでした。フリーランスで過ごした12年のうちに、それが当たり前だと思い始めていたところでした。家具工場の勤務は、派遣社員というステータスだったこともあり、自分の経験や仕事仲間との世間話などを通じて、派遣労働の実情についても多く知ることができました。また、家具工場での勤務が確定する前、面接を受けに行った派遣会社で「営業担当の正社員として働きませんか」と誘われ、その面接で派遣会社側の事業に対する「本音」をいろいろ聞くことができたのも、現在の社会の構造の一端を知る上で、貴重な経験でした。

ということで、今週はとりあえずシックス・アングルズ別冊第10号『パンツァークリーク』の制作作業と、『歴史群像』誌次々号の担当記事(テーマは後日発表します)執筆に向けた下準備を行う予定です。『パンツァークリーク』は、予告通り9月中に発売するつもりで予定を組んでいますので、興味のある方はぜひ楽しみにしていてください。
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