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2005年11月13日 [バルジの戦い]

「バルジの戦い」で、またしてもユニットの表記ミスが見つかりました。
ドイツ軍の第9SS装甲師団第19装甲擲弾兵連隊の登場ターンが、
チャートでは「19PM」、ユニットでは「19AM」となっていますが、
これはチャートの「19PM」が正解です。明日(11月14日)から
22日まで日本を離れるので、帰国後早々に訂正ユニットのPDFを
ホームページで配布します。購入された方、どうもすみませんでした。

1つのゲームで、ユニットの表記ミスが2つも出てきたというのは、
エラータフリーのゲームを目指すと公言している発行人にとっては
屈辱的な事態です。これはやはり校正チェックを今まで以上に強化
しないと解決できない問題なので、次回作のクルスクでは知人の
何人かにプリントアウトを送ってユニットや展開表のクロスチェックを
お願いしようかという案も検討中です。

もし、手伝ってやってもよい、という方がおられましたら、ご一報
いただければ幸いです。人数が多いと、さすがに「1個ずつゲーム
を無料進呈」というわけにもいきませんが、クレジットのところに
お名前を入れさせていただきます。

さて、上にも書きましたが、一週間ネット環境からログアウトします
ので、ブログの確認やメールの送受信もできなくなります。
ご質問やお問い合わせの返信は、帰国日の11月22日以降に
なりますので、ご了承ください。


2005年11月2日 [バルジの戦い]

「バルジの戦い」本誌掲載のリプレイ記事で、えらいことをしてしまい
ました。第1ターンのドイツ軍の最初の攻撃(ヘクス4809の第14機甲
騎兵グループに対する包囲攻撃)において、戦闘に勝ったドイツ軍装甲
ユニットに3ヘクス、装甲擲弾兵ユニットに2へクスの戦闘後前進を
させてしまっていますが、正しくはルール6.105項にある通り、装甲
ユニットは最大2へクス、装甲擲弾兵ユニットは1へクスしか前進できま
せん。第2ターンのドイツ軍移動フェイズでは、これらのユニットはそれぞれ
移動力消費が余った状態で敵ZOCのヘクスに移動していたので、
ドイツ軍の第12SS装甲連隊と第150装甲旅団を1ヘクスずつ下げても、
その後の展開には変化ありませんが、リプレイ記事とルール記述の
違いに戸惑われるプレイヤーがおられると困るので、記事の方を訂正
させていただきます(ホームページでも早急に対応します)。

また、同ターンの記述の冒頭で「4ヶ所で米軍部隊に対する攻撃を実施」
となっていますが、実際には他でも牽制攻撃を行っていますので、記事
の「攻撃」は「大規模攻撃」と読み替えてください。具体的には、初期配置
でヘクス4905にいた第3降下猟兵師団第5降下猟兵連隊が、第1ターン
の移動フェイズでヘクス4805に移動し、ヘクス4706と4705の米軍2個
歩兵連隊を攻撃していました。戦力比は1対3、サイの目は「10」で修正は
マイナス2、結果は「A2」で、荒地ヘクスから攻撃した第5降下猟兵連隊は、
ヘクス4906に退却しました。

重要なゲーム紹介リプレイの冒頭で、このようなミスをしてしまったのは
大変お恥ずかしい限りで、申し開きのしようもありません。

ただし、ダニー・パーカー氏による「バルジの戦い」というゲームの完成度
には、私の恥ずかしいミスによる影響は一切ありません。なので、今後
ともこのゲームを安心してプレイしていただければ幸いです。私の不手際
で読者を混乱させる結果となってしまい、申し訳ありませんでした。
また、ご指摘くださった東京のO様、ありがとうございました。


2005年10月23日 [バルジの戦い]

「バルジの戦い」をプレオーダーでご注文いただいた方から、何通もの
メールをいただきました。とりあえず到着のご連絡とコンポーネントや
本誌記事への好意的な評価がほとんどでしたが、そのなかで
あるベテランのゲーマーの方から次のような疑問を提示されました。

「ルールを読んだところ、Fire & Movement誌第20号に掲載されていた
正誤表がほとんど反映していませんが、何か理由があるのですか?」

はい、この「正誤表」は、製作作業中に参照しており、一部(連合軍の
移動制限)は日本版改訂ルールの参考にしましたが、その他の部分は
ルールには反映させませんでした。理由は、そこに提示されている項目
が、「正誤表」と呼ぶには完成度が低すぎるように思われたからです。

発表されている「正誤表」を反映させないなんて、と疑問に思われる方も
おられるでしょうが、私は発行人としてこの決断に自信を持っています。
もし、この「正誤表」をすべて無条件にルールに適用していたなら、
ゲームのルールは矛盾に満ちた、混乱したものになったと思うからです。

Fire & Movement誌第20号の「正誤表」は、ウェブ・グロニャールという
アメリカのウォーゲーム関連のデータベース・サイトで閲覧できますので
http://grognard.com/errata/darkdec.txt
興味のある方には実際にご確認いただきたいのですが、一読されて
わかる通り、箇条書きに列記された各項目は全く整合性が取れていない
どころか、完全に矛盾する部分が少なからず存在します。例えば、
戦略移動の項目を見ると「Units in strategic movement may not end
their turn adjacent to another friendly unit also in strategic
movement(戦略移動隊形のユニットは、他の戦略移動隊形の味方
ユニットに隣接するヘクスで、戦略移動を終えることができない)」とあり
ますが、後の項目では「Units in Strategic Movenent may enter enemy
zones of control and attack at the owning player's discretion(戦略
移動隊形のユニットは、敵ZOCに移動して入ったり、その敵ユニットを
攻撃したりすることができる)」となっています。最初の項目が、縦列
状態での道路スペースの占有を表しているとしたら、なぜ「敵との接触」
にはその制限が適用されないのか、理解に苦しむところです(一応、
攻撃は半分の攻撃力で、という制限はありますが、その程度のペナル
ティで済むのなら味方と隣接したヘクスでの移動終了も可能なはずです)。

また、さらに理解に苦しむのが、いくつかの項目に記されている「This
rule is not recommended to be used(このルールの使用はお奨めしま
せん)」というコメントです。お奨めしないようなルールを、どうして正誤表
という形で発表するのか、私にはどう考えても理由がわかりません。
もちろん、お奨めされない改訂案を、日本版に反映すべき理由もない
わけですから、この「アドバイス」通り、採用は見送らせていただきました。

さらに言えば、ここに記されている個々の項目には、それを適用した場合
の波及効果についての説明がほとんど示されていません。例えば、
「防御ヘクスに隣接するヘクスに、防御側の味方の戦車または工兵ユ
ニットが存在すれば、攻撃側の装甲効果を打ち消すことができる」という
項目があり、一見するとなるほどと思えるのですが、ではその戦車/
工兵ユニットと防御ヘクスの間に川ヘクスサイドがある場合はどうなのか、
その戦車/工兵ユニットが同一の戦闘フェイズ中に別の攻撃側ユニット
から攻撃を受けた場合はこの能力に影響するのか、その戦車/工兵
ユニットが陣地構築や架橋を行っている場合にその作業を中止して
この支援を行うことはできるのか、その戦車/工兵ユニットは1回の
敵戦闘フェイズ中に何回でもそのような能力を発揮できるのか、などなど
きちんとプレイテストした上で採用を決めたのであれば、当然言及されて
いるはずの「波及効果のフォロー」が、全く見受けられないのです。

上に挙げたような、全体的な「作りの甘さ」から判断して、私はこれらの
「正誤表」がプロフェッショナルなプレイテストを経て作られたものではなく、
単なる思い付きのアイデアを箇条書きにしただけの「アイデア段階」で
あると考え、これをそのままオリジナル版に適用することは危険だと
判断したので、日本版への反映は見送りました。実際、航空攻撃に
おける損害の大きさ(歩兵以外なら1/3で1ステップロス)は、デザイナー
ズ・ノートでパーカー氏が書かれている「損害の出にくい理由」と完全に
相反するもので、わずか1日で1個連隊が航空攻撃で全滅するという
展開は、オリジナル版のデザイン・コンセプトとは相容れないものです。

本来、ゲームの正誤表というのは、特定のルール項目を差し替えること
で、他に支障が生じない仕様に仕上がっていなくてはなりません。
言い換えれば、一部分の変更案のみ提示し、それによって生じる
他のルール(機械で言うと他の部品)との摩擦や衝突を回避する手立て
が用意されていないような「正誤表」は、正誤表として機能し得ないと
私は理解しています。このFire & Movement誌第20号の「正誤表」が
パーカー氏の手によるものでないことはほぼ確実だと思いますが、
同誌に掲載される「正誤表」にはメーカーサイドによる公式な正誤表と
第三者が(勝手に、かどうかはわかりませんが)作成した「変更案」の
2種類があるようなので、適用には細心の注意を払う必要があります。

ちなみに、ウェブ・グロニャールには、もう1つ別の「正誤表」も存在して
いますが(http://grognard.com/errata1/darkdec.txt)、こちらの方も
内容を検討した結果、反映は見送りました。「二次攻撃の追加ステップ
ロスは、各攻撃ヘクスではなく、攻撃側全体から1ステップロスでよい」
というルールは、導入すれば二次攻撃をやりやすくなる反面、そのため
だけに不必要な歩兵を投入するという「ゲーム的」なテクニックが多用
される結果になると思われ、オリジナル版の持つ「明快なコンセプト」
が失われてしまうと判断されたためです。今回に限らず、シックス・アン
グルズの復刻シリーズは、オリジナル版のデザイン・コンセプトに敬意を
表し、その「オリジナル版の良さ」を最大限引き出す方向で補足する
という方針ですべての作業を行っていますので、出所のよくわからない、
オリジナル版のデザイン・コンセプトを壊してしまう可能性を帯びたような
「正誤表」を無批判・無検証で反映させることはしないつもりです。

もちろん、ユーザーの皆さんがこれらの「正誤表」をゲームに取り入れて
プレイされることはご自由ですので、それを止めることはしません。
ただし、その場合は対戦させる前に、上に挙げたものを含め、「正誤表」
でフォローされていない細々とした「明確化の確認作業」をプレイ前に
相手プレイヤーの方としておかれることを強くお奨めしておきます。


2005年10月20日 [バルジの戦い]

シックス・アングルズ別冊第2弾「バルジの戦い」プレオーダー分の発送
を、無事に完了しました。2冊以上(他商品との同時注文を含む)の方は
明日10月21日の午前着、1冊の方は1~3日でお手許に届く予定です。

今日は久しぶりにワインのボトルを開けてくつろいでいます。今週末は
アルデンヌの森林で「第三帝国最後の賭けの顛末」をお楽しみください。


2005年10月19日 [バルジの戦い]

シックス・アングルズ別冊第2号「バルジの戦い」が無事に到着しました。

これから、発送の準備作業に取り掛かります。宛名ラベルの作成と印刷、
郵便振替用紙と入金案内用紙の印刷、オマケの資料コピーの準備、
希望される方へのサイン入れ、そして封入と、けっこうな作業量ですが、
実は私にとっては製作工程の中で、一番幸せな時間でもあります。

写植や定規、ペーパーセメントを片手に版下と格闘していた昔と異なり、
今は原稿執筆からグラフィック・デザイン、写真の指定、本文レイアウト
まで、すべてコンピュータで完成できるので、実際に形のあるモノを
作ったという実感を味わうことが難しくなってきています。それだけに、
1つずつの製品に手を触れ、袋を開けて資料コピーや振替用紙を封入
して、ガムテープで留めたりする作業は、長い時間をかけて熱意を注いで
作ったものが、ついに完成した、という実感に浸ることのできる、数少ない
機会なのです。やはり私は、どちらかといえば職人的な人間のようです。
「作業の時間がもったいないから、誰かバイトを雇えば」とアドバイスして
くれる人もいますが、この「密かな楽しみ」だけは手離したくありません。

ちなみに、プレオーダーは今夜の午後11時59分で締め切らせていただき
ます。今回も、たくさんのご注文、ありがとうございました。商品到着まで
今しばらくお待ちください。


2005年10月16日 [バルジの戦い]

今日も、バルジの戦い(戦史)についての話など。

バルバロッサ作戦、とりわけモスクワ攻略戦が失敗に終わった最大の
原因が、ドイツ軍の兵站計画の不備にあり、その責任はヒトラーよりも
むしろ参謀本部にある、という原稿を、過去に何度か書いたことがあり
ますが、バルジの戦いでも、それと同じような問題を内包していたよう
です。作戦期間中におけるドイツ軍の燃料不足は有名ですが、実際に
は燃料の備蓄は充分にあったものの、それを前線へと配送する手段を
きちんと確保しないまま、攻勢作戦を開始してしまったらしいのです。

今回の「バルジの戦い」には、パーカー氏による「戦局の推移」と、
コール氏(米陸軍の戦史研究将校)の「戦史分析」の計2本のヒストリ
カル・ノートを収録していますが(各6ページ・ただしコール氏の記事は
抄訳圧縮版)、コール氏の研究によると、B軍集団モーデルが上層部に
要求した燃料は「5消費単位(1消費単位とは所属各部隊をそれぞれ
100キロ移動させられる燃料)」だったのに対し、攻勢開始日に前線
部隊へと配布できたのは、わずかに1.5ないし2消費単位だったとの
こと。そして、ライン川周辺の補給集積所には、輸送手段の欠如から
放置されていた燃料が、9~10消費単位も存在したそうです。

ドイツ軍の補給部隊は、少ない道路と雪による地表状態の悪化、
そして連合軍のヤーボ(戦闘爆撃機)にも苦しめられましたが、しかし
このような実情を知ったコール氏は、結局ヒトラーとドイツ参謀本部は
大規模攻勢における兵站の重要性を最後まで理解できなかったと
結論づけています。実際問題として、当時のドイツ軍という組織に
どこまでのことが出来たのかという問題には、軽々に結論を出すべき
ではないと思いますが、少なくとも参謀本部はアルデンヌ攻勢に対して
特に反対もしておらず、むしろヒトラーの側に立ってルントシュテットや
モーデルの代替案を潰してきたという経緯を振り返れば、アルデンヌ
攻勢というギャンブルが失敗に終わった責任を、ヒトラーただ一人の
無能さに押し付けるというのは、現実を反映していない、参謀本部の
職務怠慢から目をそらせるための結論であるように思えます。

「バルジの戦い」の燃料不足ルールは、第9ターン(12月20日AM)
から補給判定時にサイの目判定を行い、数個師団が追加で補給切れ
状態になるというシンプルなものです。判定表に示されているのは、
燃料不足となる師団数だけで、どれを選ぶかはプレイヤーが選ぶこと
になりますが、最初の1個師団は必ず連合軍プレイヤーが選ぶという
きまりになっているので、リアリズムの点でもプレイバランスの点でも
なかなか上手い処理ではないかと思います。こういうところで煩雑な
判定が必要だと、プレイのリズムがそこで途切れてしまうものですが、
このゲームの処理は非常にシンプルかつスマートなので、記事用の
リプレイでも集中力を切らさずに、プレイに没頭することができました。
もちろん、時期によって段階的に燃料不足の師団数は少しずつ増加
していくので、ドイツ軍の攻勢はまさに時間との戦いになります。


2005年10月13日 [バルジの戦い]

シックス・アングルズ別冊第2弾「バルジの戦い」のデザイナーズ・ノート
をPDFで公開しています。プレオーダー発送までちょうど一週間となり
ましたが、到着までに気分を高めていただく一助になれば幸いです。

http://www.mas-yamazaki.net/sixangles.html

あと、既にお気づきの方もおられるかと思いますが、パーソナル・ウェブサイト
の構成とデザインをリニューアルしました。以前にここで書きましたとおり、
私のサイトはバージョン3.0台のブラウザでもちゃんと閲覧できるはずです。

http://www.mas-yamazaki.com/


2005年10月12日 [バルジの戦い]

今日は、バルジの戦い(戦史)についての話を少し。

ゼップ・ディートリヒ率いる第6装甲軍の攻勢初日における攻撃は、
当初予定していたようには成功しませんでした。その大きな理由の
ひとつは、彼が第一撃に戦車を投入せず、歩兵(国民擲弾兵)で
戦線に穴を開けてから、戦車を投入しようと考えていたためです。

この「第一撃は戦車ではなく歩兵で」という方策を、ドイツ軍は
かつて重要な戦いで試み、失敗したことがあります。
時は、1943年7月、場所はクルスク突出部の北側面。
当時、第9軍の司令官だったヴァルター・モーデルは、
第一撃に戦車を投入せずに攻勢を開始し、後続の戦車を逐次投入
したものの、わずか15キロほど前進しただけで頓挫させられました。
一方、突出部南側面の部隊を率いるマンシュタインとホトは、
戦車を積極的に第一撃に投入した攻勢を実施し、25キロほどの
前進を行いましたが、ソ連軍の2個戦車軍による反撃を受け
(北では1個戦車軍)、熾烈な戦車戦を繰り広げた末に、
やはり停止を余儀なくされました。

それぞれの戦力比も兵力規模も戦場の環境もすべて違うので
単純な比較はできませんが、しかしバルジにおけるディートリヒ
の上官に当たるB軍集団司令官が、他でもないモーデル元帥
だというのは、単なる偶然でしょうか? フォン・マントイフェルは
モーデルを「攻撃よりは防御の人」と評していますが、彼は
ルジェフやクルスク以後の後退戦、末期の西部戦線など
防御戦や退却戦では卓越した手腕を発揮した反面、戦車を
用いた攻勢で成功したという経歴は皆無に近いようです。

ドイツ軍のアルデンヌ攻勢が失敗した背景には、補給物資の輸送
手段の不足など、さまざまな理由があったようですが、
もしB軍集団と第6装甲軍の司令官がそれぞれバルクと
フォン・メレンティンだったら、と考えながら、第6装甲軍のSS装甲師団
をゲームで第一撃に投入してみるのも、一興ではないでしょうか。


2005年10月10日 [バルジの戦い]

今日、「バルジの戦い」の本誌データを、無事に印刷所へ発送しました。
今回も、内容の充実度にはかなり自信ありです。プレオーダーして
下さったみなさん、ぜひ次の次の週末は、このゲームを楽しんでください。

追記・プレオーダーの注文メールの中で「デザイナーのサイン希望」と
書かれている方がおられますが、特典としてお入れしますのはデザイナー
ではなく日本版発行人のサインです。悪しからずご了承ください。


2005年10月4日 [バルジの戦い]

「バルジの戦い」のデザイナーズ・ノートを訳していて、
非常に興味深い一文を発見した。戦闘序列についてのところで、
デザイナーのダニー・パーカー氏は次のように述べている。

Although I took pains to produce an accurate Order of Battle,
this was not the matter that was crucial to the success
of the simulation. The crucial matter was the games
mechanics. Regardless of the accuracy of the Order of
Battle, without accurate game mechanics the rules
would not lead Players to employ their troops in a
historically accurate fashion.

「私は本ゲームで精密かつ正確な戦闘序列を作ろうと骨を折ったが、
それは決してシミュレーション・ゲームの本質的な価値を決める
ものではない。シミュレーション・ゲームの本質的な価値は、
ゲームシステムそのものによってしか生まれ得ない。もしゲーム
システムの出来が悪かったなら、戦闘序列が正確かどうかに関係
なく、プレイヤーは自軍部隊を歴史的に正しい形で運用すること
はできないからである」

少々皮肉めいた言い方をすれば、後に発表される「ザ・ラスト・
ギャンブル」の作者とは思えない言葉だが、これを読んだとき、
私はなぜ今の自分が、この「バルジの戦い(Dark December)」
をこれほど気に入ったのか、その理由がわかった気がした。
「バルジの戦い」のシステムは素っ気ないほどにシンプルだが、
プレイしてみると充分すぎるほど「歴史的に正しい」方向へと
プレイヤーを導いてくれる。日本版プロデューサーとしてだけ
ではなく、一デザイナーとしても大いに収穫を得ることができた。
簡潔なシステムでも、リアルなシミュレーションは可能なのだと。

私もかつては、精密かつ正確な戦闘序列作りに大きなエネルギー
を注いだ人間だが、紆余曲折を経て、やはり「シミュレーション・
ゲームの本質的な価値は、ゲームシステムそのものによってしか
生まれ得ない」ことを知るに至った。もちろん、戦闘序列の調査
は今でも大事だと思うし、ゲームを買う人の購入動機の1つでも
あるだろうから、今後も軽視するつもりはない。しかし、それに
よって得られる歴史的価値には、一定の限度があることも確かだ。

だから、パーカー氏がこのような(戦闘序列以外の部分での
歴史性を重視した)デザイン哲学を持っていた頃にデザインした
ゲームを、自分の手で装いも新たに皆さんの手許にお届けできる
ことに、あらためて大きな喜びを感じている次第である。


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